戦車道や鮎道、枯れ木立もある妙な名前の小山内裏公園
八王子市と町田市の境に跨って、都立小山内裏公園があります。
京王相模原線の多摩境駅の辺りで、多摩ニュータウン通りではトンネルの上です。

(↑東京都公園協会の案内マップより)
北側の大田切側入口から入って下っていくと池があります。
大田切池といい、大田川源流の大田川が切れるところという意味です。

↑枯れた杉木立ちが印象的ですが、もともと川岸にあったものが池ができてこうなったそうです。
東京都とは思えない光景です。

↑公園を半時計周りに進んでみますと、北から西に向け登り坂で行く鮎道です。
津久井で獲れた鮎を江戸まで売りに行くのに使われていた「鮎のみち」ということで付いた名前です。

↑案内図でもあるようにこの公園は至るところにサンクチュアリがあります。
自然保護区ということで動植物の保護保全のため立ち入り禁止です。

↑公園の西端では眺望が開けますが、鑓水小山緑地の方から広い道が繋がっています。
↓この道は公園南側を西から東に向けて曲がりながら繋がっています。

尾根を通っており、「尾根緑道」と言われていますが、以前「戦車道路」と呼ばれていました。
第二次世界大戦の末期、相模陸軍造兵廠で製造された戦車の走行テスト用として作られたものです。
戦後もしばらくは、防衛庁が同様な目的でここを使用していました。

↑西展望広場からの景色です。
↓東展望広場からの景色です。

多摩境駅すぐ近くであまり展望という感じではありません。
やがて小山内裏公園の出口となりますが、尾根緑道、戦車道路は東へ続いていきます。

↓町田市による説明板がありましたが、全長約8キロメートルもあるといいます。
確かに考えてみれば、ある程度の距離がなければ戦車の走行テストをしようがありません。
むしろ8キロでは短い気もします。

小山内裏公園とは名前の由来は何なのか不思議でした。
公式HPなどには載っていませんでしたが、江戸時代末期に京の内裏つまり御所から移り住んだ能楽師がいたことからというものがあるようです。

↑尾根から北東に坂を下りたところには内裏池があります。
主に外周で小山内裏公園を回りましたが、サンクチュアリの占める部分が多く自然を残そうとしていることがわかりました。
もう少し季節が良くなったら、尾根緑道の全線を徒歩か自転車で通ってみたいと思いました。
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