調整池式発電している大野ダムで13年ぶりの謎解き(後篇)
上野原市の見た目も美しいアースダムの大野調整池は、パッと見には何に活用されるダムかわかりません。
調べれば知るほどスケールに驚かされる水力発電施設です。

↑築堤から見た調整池ですが、前回見た流出口が右側にありますが、ここへの水の流入口は正面奥のここからは見えていない辺りにあるようです。
前回載せたマップでいうと右奥にあたります。

↑近くまで行ってみましたが、右の橋の下からトンネル水路で水が流れてきます。
橋からは直接見れませんでしたが、この11号隧道も重要文化財に指定されています。
↓近寄れないのでちょっと写真では伝わりづらいですが、水が流れてきているのは確認できます。

13年前に猿橋を見に行った時に、猿橋から見える何だか不明だなと思っていた水路橋が、ここまで水を流す施設の一部だったのです。
八ツ沢発電所施設は,桂川にほぼ平行して東西に14キロに渡り延びる水路式発電所施設で、明治43年(1910)に着工,大正3年(1914)の大野調整池の完成をもって全体が竣工しました。

↑国の重要文化財に指定された時の東京電力HPによる説明図です。
施設がデフォルメされて描かれているため、距離感が感じられない図ですが、実際には14キロというのは相当の距離です。
13年前に見た、桂川に架かる第一号水路橋は、桂川から取水した水が大野調整池まで流れていく水路で、大支間を実現した初期鉄筋コンクリート造橋梁として指定されています。

↑改めて、調整池内を見ると水神様か弁天様も祀られています。
建造物としての大野調整池堰堤や取水口制水門とともに、土地として大野調整池敷地も重要文化財に指定されていますが、ここも含まれるのでしょうか。

↑築堤の天端のところまで戻ると、奥の南側には少し登ると展望台があるようなので行ってみました。
登っていくと途中には天王宮があり、隣には秋葉社と金比羅宮も祀られています。

さらに坂道の上には四阿があり、景色が見渡せます。

北の方角を見ていますから、先には中央道下り線の談合坂サービスエリアがあります。

ここにくる際、談合坂スマートインターで下りたのですが、インター出口は下りSAより2キロほど西にある中央道上りSAの横にあります。
事前に地図を見て、出口を出て左に道なりに行けば大野ダムに来れると思っていました。

ところが、右にちょっと行ってから左に道なりだったようです。
↑その時出口を出て少しのところから見た、こちらに向けての景色ですが、遠回りをしてしまいました。
111年前に造られたダムで、13年前に見た水路橋がここに繋がっていたことを思うと、明治時代というのもそんなに昔のことではないことを改めて感じました。
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