ちょっと想定とは違う形ではありながらも復活するという首都高速の羽田可動橋
首都高速1号羽田線で都心部へ向かう際、羽田トンネルから出ると昭和島ジャンクションがあります。
トンネル出てすぐ、大森南から昭和島へ渡るところは運河を越える橋梁形態となっています。

↑首都高沿いに大森南側から見ると、橋の下に小さく羽田空港の飛行機も見えています。
ここを南に沿って遊歩道があり歩いて行ってみました。

↑羽田トンネルに入るため首都高は見えなくなるかと思われますが、高架は南へと続きます。
高架下の運河越しに駐機している飛行機が間近に見えるところまで来てしまいました。

実はこの高架は羽田可動橋への道路です。
平成2年(1990)当時はまだ、羽田空港拡張前で湾岸線の空港中央出入口もないため、羽田トンネルは混雑しており渋滞緩和のため、羽田可動橋は造られました。

羽田空港の西側には海老取川(運河)があり、そのため羽田トンネルがあるのですが、そのすぐ隣りには東京モノレールのトンネルもあり、首都高速道路を増設することはできず橋梁形式としました。
ただし、立地上、飛行機の空港離発着の妨げとなるような吊り橋や斜張橋は建設することが出来ません。

運河には大型船の通行もする必要があったことから、旋回方式の可動橋となったそうです。
首都高を北へ向かう上り方面の羽田入口(現在の羽田西入口)から入った車用の一方通行でした。

しかし、湾岸線の空港中央出入口が出来てからは、こちらの空港西入口からの通行量も減り、平成10年(1998)からは使用停止されています。
入る車は羽田トンネル手前で合流してトンネルを通っています。
8年間しか使われなかったとのことですが、ここを車で通行したり、ここに来て外から橋が動くところを見たかったものです。

土木インフラの老朽化が心配されている昨今、そんな羽田可動橋が再びクローズアップされています。
首都高速道路により令和4年(2022)12月と6年(2024)1月に首都高速道路の更新計画がプレスリリースされています。
↓(以下3枚 首都高速道路HPより)

羽田トンネルの損傷状況への対策として、中床版の取替え等の抜本的対策を実施することとしています。
そのため、大規模更新工事中の迂回路として、運用停止中の羽田トンネルバイパス路(羽田可動橋を含む)を活用します。

工事後は迂回路を上り本線3車線とします。
トンネルは下り専用となるということです。
当然、可動橋ではなくなってしまいますが、無用の長物としていずれ撤去されてしまうよりは良かったのではないでしょうか。

↑ただし、施工ステップを見るとかなり大変そうです。
完成予定日は特に記載が見当たりませんでしたが、結構かかりそうに思われます。
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