鳩ノ巣渓谷とその名の由来と双竜の滝、水神の滝
多摩川上流部に鳩ノ巣渓谷があります。
JR青梅線に乗っていくと、青梅駅から先は電車の運行本数も少なくなり、編成も短くなりますが、多摩川沿いの南側車窓の景色は素晴らしく、山や川そして様々な橋を見て楽しめます。
鳩ノ巣駅で下車すると、すぐ前には雲仙橋が架かっています。

通行車両は車幅2.2メートル、重量2トンに制限された、大きくはない橋ですが、両端には鳥居のようなゲートのような高い構造物があります。
何かと考えましたが、おそらく以前はここは吊り橋であったものが老朽化等により改修工事され、そのワイヤーの支柱が残されたものでであろうかと思われます。

多摩川左岸側を川へ下っていくと、双竜の滝という案内板があり滝音が聞こえてきます。
駅のすぐ近くにありながら意外と大きな滝で、落差18メートルほどあります。

滝口のあるとんがり岩で二分された流れが、浸食された溝で一本になる形から名付けられたと言いますが、2本というかは微妙な感じです。
↑滝のすぐ上部には青梅線と並行している国道411号の橋があり、自然と人工物の不自然な調和が見られます。
かつてはこの滝や鳩ノ巣渓谷は観光地として栄えていたようで、廃業された旅館らしき建物の間を縫うように下っていくと、水神の滝があります。

こちらは高低差はあまりありませんが、水量があるので滝音は迫力があります。
多摩川のすぐ横で鳩ノ巣渓谷が見えていますが、この滝の前にはそそり立った岩山のようになっています。

鳩ノ巣渓谷の説明板があり、鳩ノ巣という名の由来も書かれていました。
江戸時代の明暦3年(1657)に起きた「明暦の大火」による江戸の街の復興のため、奥多摩の木材が多数伐採され、多摩川により江戸まで運ばれました。

ここには上流から一本流しで来る丸太の貯木場があり、そのための人夫が寝泊まりする飯場小屋が建てられました。
そして、飯場に祀られた水神社の森に二羽の鳩が巣作りしたといいます。
二羽の鳩は仲睦ましく巣を営んだ様子が人々の心を和ませ、それを村人達は霊鳥として愛護し、やがてここは鳩ノ巣飯場と呼ばれるようになりました。

そのことから、この地は「鳩ノ巣」と呼ばれるようになったのです。
↑先程の岩山のような上部に水神社の社殿があり、そこから鳩ノ巣渓谷が見渡せます。
そして下りていくと多摩川沿いから目の前に見ることができます。

鳩ノ巣小橋が架かっていて、右岸側に渡れ遊歩道もあります。
橋は歩行者専用の吊り橋で、人が通ると結構揺れます。

昭和の時代に比べれば観光客は少ないのでしょうけれど、予想以上に人はいました。
こんなところにも数多くの外国人観光客が来ています。

インバウンド需要に期待したいところですが、宿泊するには便利すぎるのかも知れません。
金を落としてもらう施設はあまりありませんし、あっても採算をとるのは厳しそうです。

↑上に見える左岸渓谷上には「奥多摩の風はとのす荘」というホテルがあり、日帰り入浴もできるようです。
鳩ノ巣渓谷は観光地として栄えて欲しいところですが、あまり外国人で溢れるのも何ですし難しいところです。
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