白丸ダムでの東京都交通局の電気事業と売電先、東京発電の氷川発電所
前回見た鳩ノ巣渓谷を眺めながら多摩川を上流に向かって、右岸である右側を歩いていきました。
ここは「大多摩ウォーキングトレイル」として古里駅から奥多摩駅まで整備されており、随所に矢印表示板があって道もわかりやすくなっています。
川面の近くから急坂を登り、また少し坂道を下ると白丸ダムがあります。

かなり前に車で立ち寄ったことがあり、いつだったか確かめてみたらもう9年前のことになります。
せっかく久しぶりに来たので、対岸の左岸側に渡ってみました。
ここは白丸調整池ダムという高さ30メートル、長さ61メートルの東京都交通局のダムです。

「エコっと白丸」という再生可能エネルギーPR館が新たにできていました。
今回改めて調べ直してみると、白丸ダムは多摩川第三発電所への水を貯めるダムですが、ここに白丸発電所もあります。
(↓東京都交通局HP)

河川機能維持と観光のために平成12年(2000)までは行われていた放流水の有効活用のために建設されたのが白丸発電所です。
周辺の環境に配慮して地下に設置されていますから、あまり発電所に気付きません。

↑ダムの上から下流側を覗きこむと、左の放水口があり水が出ています。
その奥に見える階段状のものは、魚が上流に戻るための長い長い魚道です。
9年前にはらせん階段を下り、中まで見学しましたが、お魚さんも大変なことです。

↑展望台から景色ですが、最初の写真で右上に写っているところで、ここからはダムの全体像がよく見渡せます。
そしてこの展望台の真下の地下に白丸発電所があるということで、発電の最大出力は1100キロワットです。
ダム沿いには上流に向かいダムの管理用としての道があり、大多摩ウォーキングトレイル遊歩道として開放されています。
しばらく前(令和6年3月)までは工事のため閉鎖されていたといいますから、通行できて良かったです。

管理用通路の先も遊歩道は続き、平成9年(1997)にできた数馬西トンネルを抜けると一般道にでます。
↑水力発電所らしきものがあり、左には山の上の方から水を流してくる管も見えます。
入り口のところに行くと、東京発電株式会社氷川発電所と右側に表示板があります。

東京発電であり東京電力ではありません。
ただし、左には東京電力パワーグリッド株式会社奥多摩変電所という表示板もあります。
戻って調べると、東京発電は姫川電力という会社が昭和61年(1986)に社名変更したもので、現在は東京電力の子会社です。
この氷川発電所は平成19年(2007)11月に東京電力から東京発電に譲渡されています。

↑東京都交通局HPの電気事業の説明の中に「当局の各施設と関係する施設を図示」というのがありますが、ここには氷川発電所も載っています。
同じく多摩川上流部の水を利用しているというだけのことではないようで、平成20年(2008)4月には東京発電株式会社は、東京都交通局から多摩川第一他2発電所(白丸と第三)の運転業務等を受託しています。

↑海沢大橋南交差点から氷川発電所の水流管を近くで見られますが、やはり迫力があります。
落差は107.7メートルあるといい、最大出力8200キロワットで白丸発電所の7倍以上の出力です。
東京都交通局の電気事業全体では36500キロワットですが、この電気は東京電力に売電しているのかと思いきや違うそうです。
公募により、令和6年度と7年度は東京ガスに売電していますし、その前の3年間はENEOS株式会社でした。

↑さらに上流に向かい一般道を通り奥多摩駅に到着です。
昭和風の古風に見せて、実はよく見ると新しそうな駅舎です。
平成31年(2019)4月に改築といいますから、平成といっても令和直前です。
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