木場から移ったけどもう使われなくなってしまった新木場の貯木場とその暫定利用
地下鉄東西線に木場駅があり、有楽町線、京葉線、りんかい線に新木場駅があります。
今時間違える人もいないでしょうが、かなり距離は離れています。
ご存知の方も多いと思いますが、地名の由来は、かつて貯木場が木場にあり、それが新木場に移転したというものです。
↑その新木場駅近くには「木材会館」という建物があります。
東京木材問屋協同組合100周年記念事業として平成21年に建てられたもので、木材需要の低迷する中、いかに木材を使って安らぎを感じる魅力的な空間を作るか、地球環境に貢献できる建物が出来るかを探求したプロジェクトだそうです。
「木材は燃える」という既成概念がありますが重要なのは、材料が可燃かどうかではなく、火災の際に建物が安全かどうかということだといいます。
見かけは木材で燃えそうですが、耐火性能の高い鉄骨鉄筋コンクリート造で構造躯体を形成し、外壁が炎上しても上階へと燃え広がらないように、階の途中に不燃処理を施したファイアーストップ木材を設置することで、火災の拡大を防ぐ構造になっています。
↑木材会館からもう一つビルを挟んだ背面である、新木場駅南東方向の水辺側には「14号地第一貯木場」があります。
江戸時代から深川の木場にあった木材関連企業が1972年に、この貯木場水面もある「14号埋立地」に移転してきたのが新木場地区です。
現在では、見たところ貯木場としては使われていないようですが、曙運河からは立ち入り禁止の表示があります。
原木取扱量は昭和48年(1973)をピークに減少しており、ここ以外でも貯木場水面は既に利用転換が次々と図られています。
調べてみたら、夢の島マリーナは旧砂町貯木場でしたし、お台場海浜公園も旧台場貯木場でした。
↑新木場駅から南への千石橋から南西を見ると、曙運河と左には新木場公園があります。
テントらしきものがありイベントが開催されるのかとも思いましたが、バーベキュー広場として事前予約により貸し出しているようです。
↑公園の南西側は「旧12号地貯木場」ですが、ここも貯木はされていません。
木材輸入される荷姿が貯木する原木ではなくコンテナに変化して、原木の取り扱い自体が無くなっています。
↑何やら工事しているように見られますので、こちらも調べてみました。
令和5年12月の東京港第9次改訂港湾計画の審議資料によれば、どうやらここでは、水面が「工事作業船係留水域」として暫定利用されているようです。
こうした工事作業船を一時停めておくスペースも確かに必要でしょう。
↑終点である有楽町線新木場駅の東側への引き込み線の奥には東京メトロの車庫があるのも新木場地区になります。
こうして木材関連だけでなく陸も海も利用していくのは時代の流れとして必要なことなのでしょう。
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