水面に浮かんでいるようだという浮島神社と他県に迷惑かけないための霞川調節池
霞川という一級河川が東京都に流れていますが、都内であまり知名度は高くないでしょう。
青梅市に流れており、埼玉県に入り入間川に流れ込む川です。

そんな霞川沿いに浮島神社があります。
川の左岸で青梅市今井にあり、山根通りに面して一の鳥居があり、参道を入った正面が霞川です。

二の鳥居から川に沿うように直角に参道は曲がり、正面が社殿です。
↑傍には少し高くなった位置に東屋があり、休憩したり霞川を眺めたりできるようになっています。

浮島神社は創建年次は不詳ですが、安土桃山時代の文禄3年(1594)に再建されたという記録が残っています。
江戸時代の新編武蔵国風土記稿には浮嶋天満宮として載っています。

その記載に、霞川が氾濫した際も沈まず水面に浮かんだ島のようだということで呼ばれたとあります。
↑そのことからか、社殿裏側には小さな池があり、弁天様と思われる祠がありました。

霞川改修が進む前の霞川はさぞかし暴れ川だったのでしょう。
↑下流側から浮島神社を見てみると、今でも少しだけ高いようにも見えます。

↑右岸側には川からの水の流入口らしきものが見えます。
ここには霞川調節池があり、増水した時は8万8千立方メートルの水を貯められるようにしてあります。

深さ12.8メートルの巨大な水槽が地下にあり、地上は多目的広場として開放されています。
上流方向を振り返って見てみると、越流堤は長く、130メートルもあります。

霞川は延長15.8キロで、下流の10.3キロは埼玉県を流れます。
こちら東京都は5.5キロで、ここは都では最下流部にあたります。

ただ都内での大雨時の水を埼玉県にそのまま流し水害を発生させることのないように、都ではここに調節池を設置したようです。
こうした考え方を自治体間だけでなく、国も個人もしていけると素晴らしいことです。
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