伝説の地こわしみずと斜面林にある松宮稲荷神社と関越道の蓋かけ
東京都の地図を見ると、中央部に北側にちょこんと飛び出たところがあります。
清瀬市下宿と旭が丘で、関越自動車道とJR武蔵野線が交差する辺りです。

↑ここには伝説の地こわしみずという石柱がありました。
ここには一年中水が湧き出る泉があり、働き者の百姓さんが飲むと甘いお酒の味がするということです。

武蔵野線沿いの斜面となった林にあり、線路の北側には柳瀬川が流れていて、こうした斜面林がいくつもあります。
泉は昭和48年に武蔵野線が通るまで実在しており、住居標示も清戸下宿字清水でした。

毎日ほろ酔い機嫌で帰るのを不思議に思った息子が泉の水を飲むとただの水でした。
親はきき酒、子は清水ということで「こわしみず」だというでした。
名前からホラーを想像していましたがギャグでした。

↑少し南の斜面林には松宮稲荷神社があります。
高低差があるので、南の坂道の道路の途中から参道への石段があります。

江戸時代初期の寛永年間(1624〜44))の創建と言われ、境内に松林が多かったことからこう呼ばれています。
大正時代までは、十間四方というから18メートルに枝を張った「円座の松」と呼ばれる松の大木もありました。

昭和42年にはこの周辺には日本住宅公団により旭が丘団地が造られて開発されました。
その際に下宿が下宿と旭が丘に分かれたそうです。
松宮稲荷神社を北から見ると、このように斜面林が残されています。

関越自動車道もこの辺りを通りますが、団地住民対策も考えられています。
言わば道路上に蓋かけがしてあり、騒音や排気ガス対策がしてあります。

自動車で高速道路を走った時に、上空が塞がれているけどここには一体何があるのだろうと思うことがあります。
そうした場所を期せずしてこうして上から見てみるのもいいものです。

こわしみずの清水は武蔵野線の開通とともになくなってしまい、高速道路も開通し団地も造成された昭和という時代を思い返させるいい機会にもなりました。
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