橋からの想像とは全く違った景観を見せる長池公園と多摩よこやまの道西端
四谷見附橋を移設した長池見附橋を前回見てきましたが、この橋は長池公園に架けられてています。
橋から見ると、下には姿池という人工的な池があり西洋式の公園が整備されています。

ネオバロック様式の橋に似合うように造られたのでしょう。
実は長池公園の中ではここは特殊な部分であり、全体像はここから想像するものとは違っています。

池と池の間にある築堤のような高いところから見ると、自然いっぱいの和風の公園のような景色になります。
とはいえ、木々が生い茂る風景は洋の東西を問わないはずですから、和風とはいえないのかもしれません。

↑長池公園は農業用のため池であった、築池と奥にある長池を中心に、小川や湿地、雑木林が残された自然保全型公園です。
面積は20ヘクタールあり、姿池や長池見附橋のある区画は北方の一部分です。

↑南に奥に進んでいくと長池があり、まさに自然いっぱいの風景です。
この池には長池伝説が語り継がれています。
武蔵国の城主小山田太郎高家に輿入れした浄瑠璃姫がいました。

延元元年(1336)湊川の戦いで高家が討ち死にしたため、薬師如来像を背負い、侍女らと共に長池に身を投じたといいます。
その後、蓮生寺の住職が長池に光る薬師如来像を見つけ、薬師堂を建て供養したということです。

↑さらに奥に行くと、南西端近くに高台となった「夕日展望台」というのがあるので少し登ってみました。
夕日の時間ではないとはいえ、ちょっと期待したのとは違う景色でした。

↑すぐ近くには「よこやまの道方面口」があるので、その「よこやまの道」の長池公園に沿った区間です。
ここは舗装されており道路標識もあるのですが、ほとんど車が通っている形跡はない不思議な道です。
この区間は前後とも尾根幹線道路と接続しているのですが、車両が進入できないようにしてあるようです。

先程のところは、以前は一般道として利用されていたようですが、「よこやまの道」のパンフレットにも載っている道はほとんど未舗装です。
↑パンフでは尾根幹線より東側のみ記載されており、この水道局唐木田配水所付近が「よこやまの道西端」とされていました。

万葉集において多摩の横山と詠われた多摩丘陵の尾根部に位置し、多摩の自然と歴史にふれあう道を基本テーマに整備されました。
↑南に向けての眺望ポイントの一つとされている景色です。
この下の辺りが鶴見川の源流です。
万葉集の昔から人々はこんな風景を見ていたのかもしれないと思うと、ちょっと不思議な気分です。
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