狛江駅前の森と弁財天池と鐘楼の美しい泉龍寺
ある程度の規模のある駅、市のターミナル駅前には駅前広場があり、銀行や商業施設などの建物があります。
どこへ行っても大抵同じような景色となっていますが、狛江駅前は違います。

駅前広場はありますが、その目の前にこんもりとした森があります。
ここは「狛江弁財天池特別緑地保全地区」と東京都に指定されています。
全体の面積が2、1ヘクタールとなっています。

都市計画道路に一部なる予定であったものが、市民運動等により残されることになったようです。
その名の通りここには弁財天池があります。

天保5年(1834)と7年に刊行された『江戸名所図会』にも弁財天池の伝説が記されています。
奈良の大仏の開眼供養を行った良弁が干ばつのため雨乞いをすると、竜蛇があらわれて雨を降らし、その時に湧き出た「霊泉」が弁財天池だといいます。

池の南側には福徳弁財天の石祠もあります。
また、北側には聖観音菩薩像もありました。

特別緑地保全地区の面積は2.1ヘクタールあります。
この面積には西に隣接している泉龍寺も含まれています。
また、保全・回復ゾーンとしての管理区域もあるようで、そこには入り口に門扉があり閉鎖されています。

夕方だったので閉まっているのか思いましたが、実は開放日は決まっていて数少ないようです。
案内板を見たところ、ひょうたん池というこの中にある池の方が弁財天池よりも大きいようです。

↑南側のフェンス越しに中の様子を見てみました。
木々に覆われて暗くて全体像は見えませんが、確かに池の水面は見えました。

↑この西側は泉龍寺ですが、まず山門が立派です。
この寺の名前からして弁財天池に関係ありそうですが、そもそも池も寺の境内の一部であったようです。
さらに、鐘楼が2階部分にあり、そこを潜って参道を進むようになっていて、こちらも素晴らしい建物です。

泉龍寺ホームページによると、昭和初期には池は毎分9立方メートルの水が湧き出ていましたが、昭和年間には涸れてしまいました。
現在の水は、平成18年に地下70メートルの深井戸を掘ってポンプで汲み上げているそうです。

市民運動があったとしても、その時まで寺院敷地は別としても、こんな駅前にこの森が残っていたことが不思議でした。
調べてみると、荒木邸の敷地であったということでした。
なんと、陸軍中将の荒木貞夫氏で、天皇親政による国家改造を目指した皇道派の中心人物だった人です。
ちょっと意外で驚きました。
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