天の川排水機場、なぐわし公園の名前の由来と鯨井のヒイラギ
水路の水は通常は川に流れ込んでいきますが、大雨で川の水位が上昇すると、逆流して内水氾濫を起こすことがあります。
それを防ぐために、ポンプで水路の水を吸い上げ川に流すために排水機場が設けられます。

飯能市、日高市から川越市を流れ、越辺川、入間川に流入する小畔川沿いにもあります。
↑天の川排水機場という名前に惹かれ来てみました。
川越市の個別施設計画によると、昭和59年(1984)稼働で旧耐震基準による建物ですが耐震診断の結果は大丈夫だっただそうです。

↑小畔川左岸に天の川排水機場があり、奥には田畑用排水樋管が見えています。
準用河川天の川の排水機場であると市の計画には載っていましたが、樋管名はグーグルマップでは田畑用排水です。
どちらも魅力的な名前なのですが、その名の由来はわかりませんでした。
そして、すぐ上流手前にある精進場橋もいい名前ですが同様でした。

↑その橋上流手前の右岸側には、川越市資源化センターとその調整池があります。
調整池の貯水量は4.7万立方メートルあるようです。
公有地の有効活用と太陽光発電の普及促進のため、太陽光モジュールが2834枚設置され708キロワットの出力があります。

川越水とひかり太陽光発電所といい、民間事業者が設置運営して売電により川越市に借地料を払っています。
市としても資源化センターの屋根に167キロワット分の太陽光発電システムも設置しています。
調整池にはこうした人工構造物があるだけでなく、水鳥も休んでいました。
この資源化センターは古くからあるわけではなく、新清掃センターとして建設され平成22年から本格稼働し始めたところです。
隣には仮称川越西公園が計画されていて、なぐわし公園として開設されました。
なぐわしという名前が不思議でしたが、後程調べていて少しわかってはきました。

↑なぐわし公園のメイン施設として、小畔川の上流右岸に、資源化センターからの熱エネルギーを有効利用する温水利用型健康運動施設があります。
入札の結果は1社のみの応札で、なぐわし公園PiKOAが平成24年から令和9年まで運営されています。
建物内を見てみると、温水プールもあるスポーツクラブ、ジムです。

↑先程の写真手前に写っていたものも気になりましたが、雨水流出抑制施設となっており11445立方メートルの容量となっています。
なぐわし公園は8.3ヘクタールの計画となっており、まだ全体は完成していないようですが、既にできている2ヘクタールの芝生広場では多くの子供連れの人達が遊んでいました。

↑南へ徒歩10分位のところに、鯨井のヒイラギがあります。
古木で幹が空洞になっていますが、直径1.5メートル、周囲は4.5メートルあったと推定されています。
高さは10メートルほどで川越市天然記念物にしてされています。

鯨井はこの地の大字なのですが、由来を調べていたら「なぐわし」のことがわかりました。
明治22年(1889)の町村制施行により、鯨井村、上戸村、小堤村、下小坂村、平塚村、平塚新田、吉田村、天沼新田、下広谷村の9か村が合併して高麗郡名細村になりました(その後、入間郡名細村)。
名細と書いて「なぐわし」と読み、小学校や中学校名として残っているようです。

この地域である三芳野を賞賛した柿本人麻呂の古歌「名細き稲見の海の沖津浪 千重に隠りぬ山跡島根は」に由来し、三芳野の枕詞である「名細」としたといいます。
名細の意味としては名高いということで、伊勢物語などで名高い三芳野の里が由来といいます。
この和歌に三芳野が詠まれていないことから、ちょっと完全なる理解に至っていません。
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