埼玉巨樹番付で1位になった上谷の大クスは今は近付けない天然記念物
越生町といえば梅林が有名ですが、隠れた名物として楠があります。
越生梅林から車で森の中の山道を進んでいきますが、対向車が来たらすれ違えない道幅でハラハラしながら上ります。

本当にこの道でいいのか不安になった頃に視界が開け、駐車スペースとトイレがあります。
↑写真は分かりづらいですが、これまで来た下の方を見ていますから、登っる最中はもっと木で暗いところです。
そのすぐ先では、これまでの風景が嘘のように空が広がり、数軒だけの集落があり、さらに駐車スペースと案内標識もあります。

ここには、「上谷(カミヤツ)の大クス」があります。
越生町ホームページによると、大きさは幹回り15メートル、高さ30メートルです。

↑想像していた以上に大木で、ちょっと離れないと全景が1枚に入りません。
樹齢は1000年以上になるともありました。
まず左側です。

1000年前といえば、平安時代の摂関時代で藤原道長が「この世をば我が世とぞ思う」と謳っていた頃です。
まだ武士の世の中になる前の、清少納言や紫式部も活躍した華麗な王朝文化、国風文化の時代です。

↑こちらが右側です。
埼玉県ホームページでは、平成22年時点の樹高は27.5メートル、幹周り16メートルで県内最大とありました。

暖かい西日本に多く自生するクスノキが、関東の山間部でこのような大木に生長するのは非常に珍しいそうです。
ウッドデッキが設置されているのですが、令和元年8月に一部が折損し、現在は封鎖されています。

令和2年(2020)に埼玉県教育委員会が国や県、市町村の天然記念物に指定されている「巨樹」を対象に人気投票を行いました。
その結果の「埼玉巨樹番付」では上谷の大クスが1位を獲得し「東の横綱」として番付されています。

上谷の大クスは、昭和63年度に環境庁が行った「緑の国勢調査」において、全国巨木ランキング第16位、県内第1位の巨木であると認定されました。
埼玉県指定の天然記念物なのですが、国指定の天然記念物も抑えての番付1位とはすごいことです。
早くウッドデッキが修理されて間近で幹周りを見たいものです。
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