砂川堀と新河岸川の合流地点で行なわれている工事と近代化遺産という砂川樋管の行方
新河岸川沿いには自転車歩行者専用道が整備されていますし、富士見市では3つのサイクリングコースが設定されています。
富士見市のホームページにそのうちの一部通行止めの案内が載っています。

砂川堀の治水対策のため、新河岸川と砂川堀の合流地点において埼玉県による工事が行われるためとあります。
令和2年10月から3年3月までで、区間は伊佐島橋から南畑橋まで通行止めです。
ただし、歩行者は直前まで行けるようなので、見てみます。

↑新河岸川は奥から手前に向けて流れており、左から砂川堀が合流するところです。
確かに工事中なので川沿いに通り抜けることは出来ませんから、手前の橋から通れないことを周知しないといけないでしょう。
2年ちょっと前に見に行ったように、砂川堀は所沢市の早稲田大学近くから14キロに渡って流れてきます。

↑前半は砂川として河川ですが、後半は砂川堀として都市下水路の位置付けとなるようでややこしいですが、ここからは、流れてきた水は再び新河岸川を奥の下流に向けて、河川として流れていくこととなります。
砂川堀は大雨の時に水害の被害が発生したこともありますから、堤防の嵩上げやここでの合流量を増やす工事が行われています。

↑砂川堀の上流側に向いて工事現場を見ていますが、一つ気になる部分が見えないのでちょっと反対側から見てみたいと思います。
というのは、ここには「砂川樋管」という昭和2年(1927)に築造された、新河岸川の増水時に砂川堀への逆流を防ぐための構造物があるのです。
大正から昭和初期にかけてのコンクリート製構造物で、現存するものはこの砂川樋管だけだといいます。

反対側といってもここでは新河岸川の対岸には渡れないので、砂川堀の100メートルほど上流側の橋まで行って見ています。
↑合流部には綱矢板が打ち込まれていて見づらいですが、右端に砂川樋管があります。
↓同じくわかりづらいですが、メガネ橋のように二つの水の通り路があるものです。

富士見市ホームページにあるサイクリングロードの案内などにも、蛇島調節池ができてからは本来の役目は終えているものの、当時の構造物として残る貴重な近代化遺産だと書かれています。
砂川樋管について戻って調べてみると、埼玉県議会の令和元年6月定例会において「砂川堀雨水幹線の治水対策等について」という質疑が行われていました。

それによると、新河岸川への合流量を増やすために、現在の樋管を撤去する工事を行い、令和2年度の事業完了を目指しているとありました。
ということは、砂川樋管は無くなってしまうようです。
↑橋から上流を見ていますが、この橋は富士見市道の砂川堀第1号橋というようですが、元年6月の議会当時にはその架換工事と堤防嵩上げ工事が行われていたとありました。
この両側にあるのが蛇島調節池となります。

↑さらに200メートルほど先の橋から上流を見ています。
見えている橋は、国道254号富士見川越バイパスの勝瀬橋になります。
先程の議事録によると、砂川堀雨水幹線の治水対策は、勝瀬橋から上流側は下水道管理者の下水道局が、勝瀬橋から新河岸川合流点までは河川管理者の県土整備部が担当しているようです。
こんなところも、河川と下水道の両面を持っている砂川堀の特徴なのでしょう。
蛇島調整池については、引き続きで見ていきます。
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