国立市ではなく府中市にある谷保天満宮発祥の地と用水路と大山道
受験のシーズンとなりましたが、学問の神様という菅原道真を祀った天神様に参拝する人は多くいます。
東京では湯島天満宮(湯島天神)、亀戸天神社、次に谷保天満宮が有名でしょうか。
府中市日新町にさほど広くは無いものの、赤い旗や鳥居の目立つ神社があります。
日新稲荷神社ですが、ここには気になる碑がありました。
キレイに磨かれた石なので、光が反射して見づらいですが、「谷保天満宮発祥之地」と書かれています。
菅原道真は昌泰4年(901)太宰府に左遷された際、同時に4人の子供達も左遷や流罪となり、 第三子の菅原道武は 武蔵国多摩郡に流されました。
父道真が2年後に太宰府で没し、延喜3年に道武は父の像を祀ったのが 谷保天満宮の創建とされています。
道武の子孫は津戸の姓を名乗り,鎌倉時代に源頼朝に仕えていた津戸三郎為守が、治承5年・養和元年(1181)にある神社を国立市谷保に遷したといいます。
日新稲荷神社だけに書かれているのでなく、谷保天満宮公式HPにありますから、ここが発祥の地のようです。
府中市と国立市の市境を跨いで移転していますが、当時はそんな市はありませんから当然なのでしょう。
また、谷保天満宮はヤホではなくヤボと読むことをはじめて知りました。
ところで、最初の写真の左端には蓋掛けされた水路があります。
ちょっと100メートルほど上流の都道20号府中相模原線(府中四谷橋への道)沿いを見てみました。
↑この辺りには府中用水が流れているはずですが、ちょっと狭すぎるようです。
そもそも水がありません。
これは本宿用水、西府用水、四谷用水とも言われている水路で多摩川の四谷本宿堰、床止から取水しているもののようです。
↑200メートルほど北に行くと、府中西高校前交差点のところに府中用水は流れていました。
武蔵野の用水路というと玉川上水が有名なので、そこから江戸時代に開削された水路というイメージがあります。
しかし、府中には古代から武蔵国の国府が置かれていたため、府中用水はかなり以前からあったようです。
そもそも多摩川の流路が大分変わっているため、旧流路を江戸時代に利用して今の用水になったといいます。
この辺りではこの府中用水が府中市と国立市の境界となっています。
↑橋は「大山橋」とありますから、ここに大山阿夫利神社へ大山詣をするための大山道が通っていたのでしょうか。
周囲を探してみると、都道とは別に南西に向かう道路に「大山道」の表示板がありました。
主要な8つの大山道の一つである「府中通り大山道」は、現在の都道18号府中町田線である鎌倉街道とほぼ同ルートと思っていましたが、ここは1キロメートルほど西になります。
おかしいかなとも思いましたが、多摩川を橋でなく「中河原(関戸)の渡し」で通っていたことを考えれば、ズレていて当たり前でした。
今の関戸橋のところを通る必然性はないのですから。
.
.
.
« 立川市緑町の不思議な神社と高松町にある熊野神社の戦争をめぐる繋がり | トップページ | 参道で中央高速道路を跨ぎ相模湖も眺望できる與瀬神社(与瀬神社) »
「08北多摩南部」カテゴリの記事
- 多摩川に翻弄された青柳村の常夜燈と稲荷神社、どちらかわからない青柳2号墳(2024.04.21)
- 多摩川で隣り合う府中用水取入れ口と緑川排水樋管(2024.04.14)
- 国分寺崖線西端の国分寺市西町にある西向きの西町神明社と中藤公園(2023.12.24)
- 昭和用水の流れからの原水補給ポンプ所と龍津寺の湧水の流れ(2023.06.04)
- 多摩川にある九ヶ村用水取水口と昭和用水堰とその名の由来(2023.05.28)
「神社」カテゴリの記事
- 呼ばわり山という今熊山の今熊神社と安閑天皇の頃とは(2024.11.24)
- 地理院地図で大書きしてある大澄山と草花にある草花神社(2024.10.20)
- 昭和天皇手植えの枝垂れた杉のある和田乃神社と臨川庭園(2024.10.06)
- 無形民俗文化財まんぐりの川越市にある八咫神社と寺山堰(2024.09.22)
- 読めないけど延喜式にも載る大麻止乃豆乃天神社のある大丸(2024.09.15)
コメント
« 立川市緑町の不思議な神社と高松町にある熊野神社の戦争をめぐる繋がり | トップページ | 参道で中央高速道路を跨ぎ相模湖も眺望できる與瀬神社(与瀬神社) »
谷保天満宮は、「ヤボ」と呼ぶんですね。知りませんでした。
関戸橋の辺りは偶に行くことありますが、この辺りを巡ってみたくなりました。
投稿: taboom | 2021年2月11日 (木) 10時18分
taboomさん、こんばんは。
遅くなってすいません、コメント有難うございました。
2月9日に書かれている高麗川のYルートは興味深いところですね。
見てみたいものです。
投稿: すずた | 2021年2月20日 (土) 22時17分