まだ海辺だった頃に榛名様が上陸したという御船山と榛名神社のある富士見市勝瀬
6000年程前、縄文海進と呼ばれる海水面の上昇により荒川流域は、かなりの部分が海でした。
4年半前に見に来た富士見市にある水子貝塚は、その当時は海沿いだったということでこの地にありました。
↑同じ市内の勝瀬というところ、ららぽーと富士見のすぐ近くというと場所のイメージが湧くでしょうか、「お船山」というところがあります。
長さ約50メートル 、幅約25メートル 、高さ約2メートル ですから、実際には山というほどの高さではありません。
↑案内板によると、昔この辺が海辺だった時に、榛名様がお供二人とともに遠くから鉄の船で来て上陸しましたが、その後ここで船が沈んだということです。
お船山に棒を刺すと、鉄の船に当たり音がするとの言い伝えもあるそうです。
↑お船山越しに、林のようになった100メートルほど北の上陸したところが見えます。
また、まだ乗船中に船がお船山で沈んでしまう時、向こう岸の藤の木の蔓をつたい、一行は上陸できたという説もあるそうです。
↑いずれの説でも上陸したというところに榛名神社があります。
創建年代等は不詳ながら、文明9年(1477)再建の棟札が残されていることから、少なくとも室町時代には既にあったということです。
↑狛犬の乗っているところには岩がありますが溶岩なのでしょうか。
榛名神社やお船山という名称からも山にゆかりがあるようです。
境内に富士塚があるのかも気になります。

毎年4月10日は富士見市の市制施行記念日であるとともに、「はんな様」と親しまれている榛名神社の例大祭でもあります。
榛名様のことなのでしょうか、因みに榛名山の榛名神社とはこちらは関係はないそうです。
↑御神木のイチョウは高さ20メートルあり、樹齢は400年で市の天然記念物に指定されています。
江戸時代の初めから既に生えていたということです。

↑境内に富士塚はありませんでしたが、富士浅間神社と富士塚神社はあります。
調べてみたら、ふじみ野西四丁目に「オトウカ山」という一辺約20メートル の方形で高さ約5メートル の古墳と思われていた山があり、調査の結果、古墳ではなく富士塚で、そこから移設されたものでした。
↑いくつもの境内社がありますが、左の弁財天は最初の伝説の二人のうち大弁才天女のもので、明治時代まではお船山に鎮座していたものです。
もう一人は鷲森大権現で駒林・八幡神社と鷲森小学校西に鎮座しているそうです。
↑お船山のすぐ脇は、現在は海ではなく砂川堀の流れとなっています。
2年前に源泉を探しに行った砂川、砂川堀にここで出会えるとは嬉しいものです。
今回は伝説だけでなく、様々な過去のことが一つに繋がっていく不思議な感覚を感じました。
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コメント
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富士塚に興味があってブラブラと回ることがあるのですが、このエリアは比較的近所にはなるものの、散策したことはありませんでした。富士見市にあるゴミ焼却場にはたまに不燃物を持ち込むんですけどね(笑)
今年もよろしくお願いします。
投稿: taboom | 2021年1月 6日 (水) 08時45分
taboomさん、コメント有難うございました
知りませんでしたが、あの近くにあった煙突は富士見市だけでなく、志木市と新座市の環境センターだっだのですね。
また、もう一つありましたが、そちらは市境の向こうで、ふじみ野市と三芳町の清掃センターであったことも知りました。
では、今年もよろしくお願いします。
投稿: すずた | 2021年1月 6日 (水) 21時14分