南沢湧水の守護神であり東久留米総鎮守でもある南沢氷川神社
湧水や自然豊かな落合川では、河川改修工事をした際に、元の川の形や周囲の自然を極力残すような努力が感じられるところが至る所にあります。
東久留米市南沢辺りの川が蛇行しているところもその一つです。
↑落合川の南の小高い丘の上に氷川神社があります。
ここ東久留米市南沢の氷川神社は、古来より湧水の守護神として鎮座していたといいます。
建立年次は不明ですが、出雲国の斐伊川の故事に倣って創立されたそうです。
現存する古文書に在原業平に関する古伝があり、東下りの折、南沢に宿を求めこの神社に立ち寄ったとのことです。
在原業平といえば、平安時代初期の歌人ですから、随分と歴史があることになります。
↑火災による消失により、現社殿は昭和46年に再建されたものです。
つい最近のように思ってしまいますが、1971年のことになりますからもう50年近くなります。
とてもキレイですから、近年塗替えをしたのでしょうか。
この神社では江戸時代の再建の際の棟札が、東久留米市指定有形文化財となっています。
承応3年(1654年)のもので、寄進者として久世大和守や南沢村領主の名前が刻まれています。
久世大和守広之は南沢で生まれ、後に徳川幕府の将軍側近や老中を務めた実力者だそうです。
また、加藤清正虎退治絵馬も市指定有形文化財となっています。
こちらは、市内最古の絵馬で、文政4年(1821年)に制作された、武者絵馬の代表的なものです。
↑社務所は昭和59年に建てられたものです。
棟札も絵馬も公開はされていませんので、見ることは出来ませんでした。
ところで、棟札の寄進者には、南沢村、田無村、入間村、下新井村総氏子とも記されているので、かなり広範囲の氏子信徒により再建されたことになります。
やはり水の神は大事だったのでしょうか。
↑鳥居のすぐ目の前に、南沢湧水群からの水の流れがあります。
南沢氷川神社は北にも南にも川の流れがあるのです。
この落合川と南沢湧水群は平成の名湧水百選に東京都内で唯一選ばれています。
↑少し進むと、右手前から左への流れと、右奥からの流れが合流していることがわかります。
この辺りの敷地は南沢緑地として保全されていますから、湧水の水源を見てみましょう。
しかし、右手前の流れは、すぐ先からは奥に遡って行けなくなっています。
この奥は東京都水道局南沢浄水所の敷地となっているからです。
ここからの地下水と荒川水系の水をブレンドして、市内の水道水としているそうです。
湧水量は1日1万トンもの量になり、多摩地区最大といわれています。
↑もう一つの水流の方を南沢緑地内で遡ってみます。
すぐ先に見つけることができます。
東京の名湧水57選になっています。
まあ、全国の100選に入っているのだから当然といえば、当然です。
今も昔も水は大切なものであり、湧水の守護神である南沢氷川神社は南沢村だけでなく、周辺住民にとっても貴重な存在だったのでしょう。
東久留米市内11神社は、この神職が兼務しているそうです。
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