彫刻が素晴らしすぎる埼玉県指定文化財の箭弓稲荷神社の社殿と野球バットの絵馬
東武東上線東松山駅の西のすぐ近くに「箭弓稲荷神社」があります。
箭弓とは難しく何て読むのだろうというところですが、「やきゅう」と読みます。
創建は和銅5年(712年)ということですから、奈良時代の初めということになります。
社殿の配置は、日光東照宮と同じ内陣と拝殿を別にする権現造で、屋根は銅葺で千木とカツオ木をつけています。
正面の大きさは545センチメートル、奥行き515センチメートルの風格ある重厚な社殿です。
↑社殿には至るところに素晴らしい彫刻があります。
この拝殿ははおよそ10年の歳月をかけて完成されたものと考えられ、棟札によると天保6年(1835年)に上棟とされたと記されています。
↑本殿を右側から見ています。
埼玉県指定文化財となっており、社伝によると、本殿が文化元年(1804)年、幣殿が文化8年(1811)年に建築されたものといいますから、すべて江戸時代後期のものです。
↑本殿の右後方から見ています。
ところで、箭弓稲荷神社とは不思議な名前ですが、平安時代中頃までは野久稲荷神社だったようです。
↑本殿を左後方から見ています。
下総国城主の平忠常が謀反を起こし、武蔵国の川越まで押し寄せてきたため、朝廷は源頼信を追討の任に当たらせたといいます。
↑本殿の左側から見ています。
頼信はこの地「野久ヶ原」に本陣を張り、野久稲荷神社に必勝祈願をしたところ、明け行く空に箭(矢)の形をした白雲が敵を射るかのように飛んで行き、これぞ神のご加護と奮いたち、敵陣に攻め入り勝利したといいます。
↑荘厳で美しい彫刻を見たいがために、玉垣の隙間から本殿を見てきましたが、当然ながら玉垣に囲われています。
源頼信は戻って勝利の報告をするとともに、社殿の建て替えを寄進し、「野久稲荷」を「箭弓稲荷」と呼ぶようにしたといいます。
↑やきゅう繋がりということで、バットの形をした絵馬があります。
やきゅうという名前から、プロ野球選手も多く参拝に来るそうです。
↑縁結びの木があります。
松と栴檀の木はお互いが寄り添うように生えており、縁結びや人間関係の好転の御利益があるとされています。
「やっくん」と「きゅうちゃん」の石像も木の前にあります。
↑さらに南には天神社があって、その前には池があり松の木も美しいです。
本殿とこの天神社の間には「ぼたん園」があります。
約3500㎡の園内には、1300余株の牡丹を有し、毎年4月中旬頃より、つつじや藤の花と合わせて見事に咲き誇るそうです。
↑本殿の北には末社として「宇迦之御魂社」があります。
「宇迦之御魂神」も難しいですが、「うがのみたまのかみ」と読みます。
團十郎稲荷、穴宮とも呼ばれており、箭弓稲荷神社を厚く崇敬していた七代目・市川團十郎が奉納した祠で、芸道・技術の向上を願う方々の信仰が厚いそうです。
↑神楽殿の舞台の後ろには、想定外の可愛いい絵が描かれていました。
埼玉県立松山女子高等学校美術部によるもののようです。
やっくん・きゅうちゃんもそうですが、この神社には伝統・格式とともに遊び心というか洒落気もあるようです。
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コメント
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Manohiroと申します。
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>彫刻が素晴らしすぎる
5月に日光東照宮へ行ってきました。
本当によく似ています。
712年と聞いてビックリです。
ポタで、いろいろ再発見ですなあ。
また訪問します。
ポチしました。
投稿: Manohiro | 2018年9月17日 (月) 22時34分