世界遺産になっている観自在王院跡、無量光院跡と世界遺産暫定リストには載っている柳之御所遺跡
平泉の世界遺産訪問の3つめは「観自在王院跡」ですが、毛越寺のすぐ隣にあり平泉駅からも徒歩で西へ7分ほどで行けるところです。
奥州藤原氏二代基衡の妻が建立した寺院跡で、ここにも極楽浄土を表現した庭園があります。
ここは無料で入れます。
毛越寺庭園と同様、平安時代に書かれた日本最古の庭園書『作庭記』の作法で作られているとのことです。
この池は舞鶴が池といい、中央には東西に長い中島があります。
水の色が毛越寺庭園とは違うので、イメージが違います。
北に向かって正面には金鶏山が見えるよう造られているといいます。
巨石を積み重ねた荒磯様の石組もあります。
観自在王院とは阿弥陀堂のことで、大阿弥陀堂と小阿弥陀堂がありましたが、天正元年(1573年)に焼失したといいます。
寺跡は東西約120m、南北約240mであったそうです。
↑この池への水の流れも鑓水となっているのかと遡ってみましたが、予想外にすぐ隣の毛越寺庭園の方から来ているようです。
この観自在王院跡も世界遺産であると同時に、特別史跡と名勝に指定されています。
毛越寺と違って、こちらは特別名勝ではないようです。
↑続いては、やはり世界遺産4つめの「無量光院跡」で、こちらは平泉駅から北へ徒歩10分ほどのところにあります。
奥州藤原氏三代秀衡が建立した寺院で、毛越寺の新院ということで新御堂(にいみどう)と号したといいます。
実は平泉に到着して、まず中尊寺に行き、次に巡回バス「るんるん」でこの無量光院跡に来たところ、観光客はいないし、池があるだけで何もないし、最初はちょっと戸惑いました。
↑しかし、池を見てみると済んだ水が太陽の光に輝いて、極楽浄土をイメージした浄土庭園とはこういうことなのかと納得できました。
10円玉でおなじみの京都宇治にある平等院鳳凰堂を模して、建物の向きや地形も平等院と同様に造られたようです。
当時の様子を描いた絵が案内板にあります。
阿弥陀堂の柱間や翼廊の左右が鳳凰堂より大きく、平等院を超えたものとしようとしたようです。
建物の中心線は西の金鶏山と結ばれており、その稜線上に沈む夕日に極楽浄土をイメージした浄土庭園の傑作といわれています。
↑こちらも建物は焼失して、現在は礎石が残っているのみです。
発掘調査によると、東西は約240m、南北約270m、面積約6.5haもあり、やはり平等院よりも大規模で、鎌倉時代の史書である「吾妻鏡」の記録とも合致するといいます。
吾妻鏡によると、この辺りは平泉の中心部で、この近くには奥州藤原氏の政庁である「平泉館」(ひらいずみのたち)があったとされています。
↑無量光院から300mほど東にある「柳之御所遺跡」であり、史跡公園とされています。
北上川沿いに段丘が広がるこの一帯は、古来、藤原清衡、基衡の屋敷跡と伝えられてきたといいます。
発掘調査により、建物や堀、道路や井戸などの遺構が見つかっています。
また、中国産の白磁の壺、東海地方の陶製の大甕などが出土しており、無料で入れる「柳之御所資料館」に展示されています。
この出土品は国の重要文化財に指定されており、この遺跡も史跡に指定されています。
↑ここにも園地があったということで、池が復元されています。
残念ながら、ここは世界遺産に登録されてはいませんが、世界遺産暫定リストには載っているようで、追加登録されるよう関係者は頑張っているそうです。
↑堀も復元されています。
西の正面に金鶏山が美しく見えます。
ところで、平泉の世界遺産として登録されているのは5つあるのですが、なんとこの「金鶏山」が入っています。
奥州藤原氏によって、山頂に経塚が営まれた信仰の山で、史跡と名勝にも指定されています。
↑ところで、このブログのタイトルに「図書館めぐり」とあるのに全然が出てこないので、たまにはということで「平泉町立図書館」です。
平泉駅と毛越寺や観自在王院跡の間に立ち寄れる、町役場も近いところにあります。
平泉観光は1日目に4時間、2日目に2時間ほどしか見てまわることができませんでしたが、非常にいいところで、また訪れてみたいところでした。
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