宮ヶ瀬ダムの自然にも配慮した取水施設と横浜ランドマークタワーと同じくらいの標高290mからの景色
前回の続きですが、神奈川県にある宮ヶ瀬ダムに来て、堤体内にあるエレベーターで、堤高156mと首都圏一高い、全国でも6番目の高さのダム天端に行きました。
標高290mになります。
先程までいたところを上から覗き込むと、ちょっと怖いです。
相模川の支流である中津川に造られたダムですが、支流とはいえ周りには高い山々があります。
改めて考えてみると、川の支流にしては規模の大きなダムであることが感じられます。
中津川は厚木周辺で相模川に合流しますが、ここから見ている南東方向の約40km先は横浜市街です。
↑横浜ランドマークタワーも見えるそうですが、今日はちょっと見えないようです。
ランドマークタワーは高さ296.33mといいますし、あちらは海沿いで地表面の標高はほとんど無いことを考えると、ここの標高290mとほぼ同じ高さということになります。
このダム天端には展望塔もあるので行ってみましたが、ほんの2階分くらい高いだけで、ガラスの中からは外も見づらいので、あまり景色の差は感じられませんでした。
↑宮ヶ瀬ダムの堤頂長、つまり横幅は375mもありますから、この天端もかなり広い空間です。
宮ヶ瀬湖は神奈川県の3市町村に跨っており、前回も書いた通り、首都圏一の貯水量となるほど非常に広いので、ここから西の方向を見ても、湖全体を見渡すことはできません。
この宮ヶ瀬ダムは、ほとんど愛川町にあります。
宮ヶ瀬湖はTの字のような形となっており、上流部は西向きの広がっているいるとともに、南向きにも川弟川にも広がっていますが、ここからは見えません。
↓ダム右岸(南岸)には今日は乗ることのできなかったインクラインの線路というか軌道が見えます。
その向こうにある建物は、「宮ヶ瀬ダム水とエネルギー館」です。
ここでは、宮ヶ瀬ダムの大切な役割、水資源の重要さ、ダムが生み出す、水とエネルギーについて学ぶことができる施設で、カフェもありました。
また、ダムカードも配付されています。
一通り宮ヶ瀬ダムの勉強もしたところで、ダムを下からは見てきましたので、湖側から見てみることとします。
ダムは愛川町にありましたが、右岸側は清川村になります。
↑ダム内部に何やら建築物のようなものが建っています。
これは利水用放流設備の選択取水設備です。
一般的には、ダムの水を取水するのは上の方か下の方か、固定された位置にあります。
大雨の後などは、水面近くはかなり濁った水になりますから、上部から取水してダム下流に流せば、濁った水が流れてしまいます。
そのため、ここでは、水温の変化や濁りによる下流河川の自然生態系への影響をできるだけ与えないように、取水ゲートによるダム湖の取水位置を調整できるようになっています。
↑船着き場もありますが、ここから遊覧船も運航されています。
遊覧コースは1000円とのことですが、この日はインクライン同様お休みでした。
また、清川村の宮ヶ瀬湖畔園地や相模原市(旧相模湖町)の鳥居原へ行くコースもあります。
湖の向こう側に見えるのは、ダム建設のコンクリート骨材に使用する石や砂を採取した南山(原石山)の法面において、周辺の景観と調和させるために、コナラ、カシ、クリなどの樹木による植栽を行ったところです。
ダム左岸には、ダム管理事務所があり(右岸からの写真では一番奥の建物です)、こちらからも宮ヶ瀬ダムを見ることができます。↑
こちら側からは、相模原市(旧相模湖町)となりますが、こちらの方が、選択取水設備が良く見えます。
ダム湖の水温は冬は上の方と下の方であまり変わりませんが、夏は上は25℃くらいなのに下は7℃くらいと、大きく水温が違っているので、川の下流の自然環境へも影響に配慮するため、取水の工夫が必要になってきます。
国土交通省関東地方整備局相模川水系広域管理事務所ですが、1階は展望ギャラリーとして、ダムのパネル展示や休憩コーナーなどがあります。
ここでもダムカードが配付されていますが、ここは事務所併設のため、休日はお休みです。
標高290mの宮ヶ瀬ダムですが、サーチャージ水位つまり洪水に備えてダムに貯めることのできる最高水位は286mです。
↑こうして見てみると、約281mまで水が貯まっていますから、結構多くの水が貯えられているようです。
↑左岸から下流側見てみます。
やはり、この宮ヶ瀬ダムの大きさと高さを、あらためて感じます。
ここからの夕陽も見たいものですが、車を停めてある県立あいかわ公園の駐車場は17時で閉鎖されることになっています。
もう一度、下を覗き込みます。
やはり、高いです。
まだまだ、ゆっくりしていたいのですが、もう一つ見ておきたいダムがあるので先を急ぎます。
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