2つ並んだ国宝の紅白梅図屏風、燕子花図屏風と庭園のカキツバタ
今年2015年は、1716年(享保元年)の尾形光琳の没後300年忌になるそうです。
これを記念して、別の美術館に所蔵されている2つの国宝が、56年振りに並べて見ることができます。
日本史の教科書で見たこともある「燕子花図屏風」と「紅白梅図屏風」です。
表参道駅から歩いて、根津美術館に行ってきました。
新聞によると、2日前には天皇皇后両陛下もこの特別展を見に来られたそうです。
尾形光琳は、江戸時代の享保元年に59歳で没しましたが、江戸時代初期の装飾芸術と新しい時代の感覚も取り込んで、独自の世界を作りました。
燕子花図屏風は金と青と緑のみで描かれた、模様化された燕子花(カキツバタ)が美しく描かれています。
今で言う「コピペ」で、同じ模様の花を描くという斬新な手法も取り入れられています。
こちらは、根津美術館の所蔵です。
一方、紅白梅図屏風は、いつもは熱海のMOA美術館にある、紅梅と白梅、その間を暗く輝く流水が縦断する印象的な屏風です。
今日は、暖かいお出かけ日和の日曜日だったせいもあり、大変な混雑でしたが、私にとっては、期待によってハードルを上げすぎていたせいか、第一印象はピンときませんでした。
根津美術館は広い庭園も有名ですから、庭園を一巡りしてから、もう1回見てみようと思います。
南青山とは思えない、1万平方メートルを超える高低差のある広い敷地に日本庭園が広がっています。
池には、屏風と同じ燕子花(カキツバタ)の花が咲き始めていました。
この2つの国宝を並べた特別展は、3月にはMOA美術館でも開催されていますが、その時は梅の花の時期に合わせたのでしょう。
こちらでは、燕子花に合わせて開催です。
「いずれ菖蒲(あやめ)か杜若(カキツバタ)」ということわざがありますが、あやめとカキツバタの区別は、実はつきません。
同じように見えますが、違いはどこなのでしょうか。
さらに、あやめは漢字で書くと「菖蒲」で、ショウブとあやめだって、違いがよくわかりません。
菖蒲湯に入れるショウブは、同じものなのでしょうか。
調べてみると、あやめとカキツバタは花の模様が違うようで、あやめは花びらに白い網目のような模様があり、カキツバタは花びらの付け根に一筋の白い線があるそうです。
この花の汁で布を染めたところから「書付花(かきつけばな)」が「かきつばた」に変化したのことです。
花菖蒲と菖蒲は全然別物で、葉が似ているけど、菖蒲はサトイモ科で、花菖蒲はその名の通り、花の咲くものでアヤメ科のものです。
よく菖蒲園に咲いているのは、花菖蒲であって菖蒲ではなく、菖蒲湯にいれるのが菖蒲です。
花菖蒲は、様々な色がありますが、黄色の網目のような模様があり、咲く時期はもう少し遅く6月頃のようです。
ところで、庭園から戻り、改めて国宝の屏風を見てみました。
少し背を低くしてみたら、全く印象が違うので、しゃがんで見てみました。
すると、びっくりすることにとても綺麗です。
しゃがんで見ている人などいないので、少し恥ずかしかったですが、燕子花図屏風は金色の輝きが全く違うし、燕子花の群れに入り込んだ様な気分になります。
紅白梅図屏風も、紅梅、白梅それぞれの美しさと中央の川の暗さと流れの輝きが感じられます。
普通に立ってみるのとは全然印象が変わりました。
考えてみれば、屏風は和室で座って見ることを想定して描かれていると考えれば、やはり低い位置から見るといいのでしょう。
ただし、先ほども書きましたが、しゃがんで見ている人がいないので、ちょっと恥ずかしいです。
また、日曜日は来館者が多く、混んでい過ぎて落ち着いて見ることができないので、できれば平日に行った方が いいようです。
普段あまり来ることのない南青山は、景色も新鮮で、PRADA(プラダブティック青山店、手前)やCartier(カルティエ南青山店、その左)のようなおしゃれな建物も見ることができました。
渋谷まで歩いて帰りましたが、ちょっとの間に渋谷も建物が無くなったり、新しい地下道への入口ができたりしていました。
平日は家と職場の往復ばかりで、休日も近所ばかりでは、時代の流れから遅れてしまいますから、普段あまり来ない街にも来た方がいいようです。
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