狭山市と入間市は入間基地と狭山茶の関係がややこしい
西武新宿線には狭山市駅が、西武池袋線に入間市駅があります。
入間市駅の隣りにある稲荷山公園駅前には航空自衛隊入間基地があり、入間航空祭のときはたいへん込み合います。
その駅のすぐ近くの電車沿いに、博物館があります。
当然、入間市博物館かと思えば、ここは狭山市博物館です。
入館料は150円で、地域の自然と歴史について展示されています。
目の前は稲荷山公園の広い芝生が広がっています。
というより稲荷山公園の中に博物館がある感じ
市境が入り組んでいて、入間市に狭山市が食い込んだような形になっているのかと思い、改めて地図を見てみるとそうではないようです。
そもそも入間基地という名前から当然、入間市にあるものと思い込んでいましたが、実は敷地の9割方は狭山市です、
よって、狭山市は国からの基地交付金等が潤沢にありますし、ホンダなどの大規模工場も数多くある、県内で2位3位を競う工業都市なので固定資産税も潤沢にあります。
財政的にも余裕があるので、こんな立派な博物館があるのでしょうか。
では、入間市はどこにあるのかといえば、狭山市の南西側です。
ここにも入間市博物館があります。
こちらも広い敷地のなかにある立派な博物館です。
愛称のALITは、市民の声も参考にした、Art・Archives、Library、Information、Teaの頭文字とのことですが連語としては意味がわかりませんので、一つ一つ独立した単語のようです。
観覧料は200円、入間市の自然や歴史についての展示のほか、お茶の博物館として、お茶関連の展示が充実しています。
中にはこんな立派なものがありました。
ここだけ見るとなんだかわかりにくいかもしれません。
茶道で有名な「千利休」の茶室と売茶翁高遊外(ばいさおうこうゆうがい)を祖とする煎茶道の茶室を展示しております。
狭山茶は、埼玉県南西部の入間市・所沢市・狭山市をはじめとした入間郡内を主産地とする煎茶をいいます。
この狭山茶の産地の中で最も生産量が多いのは狭山市ではなく、入間市なのです。(ここも、ややこしい)
埼玉県の茶畑は、全国でも6番目の広さで、生産量は全国で11番目です。
なぜかと不思議に思いましたがが、お茶の木にとって埼玉県は寒いところなので、お茶の葉は年に2回しか摘みとりませんが、埼玉県より南の地方では、年に3回、九州地方などのとても暖かいところでは4~5回も摘むことが出来るので、差がついてしまうようです。
東京都東村山市の、有名な東村山音頭にも「狭山茶どころ情けも厚い」と唄われているように、狭山茶の名称は有名です。
高台に立地しており、狭山湖や「庭先ゃ多摩湖」のある狭山丘陵が見渡せます。
入間市はお茶の生産量が多いからと言って、決して農業メインの市なのではなく、国道16号線沿いの立地を活かした武蔵工業団地、狭山台工業団地があり、狭山市ほどではありませんが、埼玉県内有数の工業地域となっています。
国道16号線だけではなく、圏央道入間ICもでき、三井アウトレットパーク入間などの商業施設もあります。
高低差があるためいい景色も見られるのです。
関東平野といってもこの辺りからは、河岸段丘などにより結構起伏のある地形となっています。
ところで、このようにいろいろややこしい狭山市と入間市も合併の話がありました。
合併協議会を設置し検討して、合併期日は2006年1月1日とし、合併方式は新設(対等)合併、新市名は「狭山市」、新市庁舎は現狭山市役所とすることとしていました。
しかし、入間市民からは、対等合併にもかかわらず、市名も市庁舎も狭山市側になることにより、2005年1月に集計された市民へのアンケートで合併反対が圧倒的多数となった。
↑入間市博物館から狭山市方面を見ています。
狭山市でも、入間市と合併することで市民税率が上昇する可能性を嫌い、住民投票で合併反対が多数となったため、合併協議会は同年2月に解散され、この話はお流れとなったようです。
ということで、「入間基地のある狭山市」と「狭山茶で有名な入間市」という状態は継続することになりました。
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