軽便鉄道羽村山口線と空堀川の源泉(後篇)
不思議な森の中から出て、またいくつかの自転車道のトンネルを抜け、横田トンネルの出口まで戻ってきました。
ここから、かなり川幅の狭くなった空堀川に沿って北に向かおうとすると、

すぐに上流端の看板です。

しかし、この先にも、いわゆるドブ板で蓋かけされた川があるので、先を目指します。

途中グラウンドの横などを進んでいくと、再び、水の流れがあります。

そしてすぐ先には池がありました。
ここが空堀川の源泉のようです。

釣りをしている人などのいる、のどかな雰囲気です。
案内板によると市立野山北公園のようですが、気になるのは私一人しか自転車に乗っていないことです。
自転車を降りて、おして歩いていくこととします。
入り口まで行ってわかったのですが、自転車進入禁止との看板がありました。
私は正式な入口でない、川沿いの(正確には川の上の)小道を通って来たので看板がなかったようです。

この市立公園の周辺は、広大な都立野山北・六道山公園となっています。
村山温泉かたくりの湯も隣接しています。

日帰り温泉なので立ち寄りたかったのですが、残念ながら9月末までリニューアル工事中でした。
先ほどのトンネルや自転車道のことについては、いろいろ調べたところ、
(写真削除)
大正10年に多摩川の水をひいて貯水池を作ろうとした時、その資材等を運ぶ鉄道を作るとともに、その地下に導水管を埋めたようです。それが今の多摩湖(村山貯水池)です。
工事終了により鉄道は撤去されましたが、さらに、昭和4年には狭山湖(山口貯水池)の堰堤の砂利運搬のために再び鉄道を敷設し、昭和19年の工事終了まで軽便鉄道「羽村山口線」として、利用されたそうです。
この軽便鉄道の軌道敷の跡地が自転車道になったようです。

先程行った横田トンネルの反対側にも、上の写真のように鉄道跡地が道になっており、野山北公園自転車道と名付けられています。
柵のしてあったトンネルの奥がどうなっているのかにも興味はありましたが、先にあるのが多摩湖や狭山湖だとわかったので、この自転車道を反対に向けて進むこととしました。

現在でも多摩川の水を、湖(貯水池)に運ぶための導水管が地下にあるため、東京都水道局の敷地のようです。
武蔵村山市境のこの住宅街のところでまで来ましたが

ここから先は自転車道がありません。

IHIの工場(航空宇宙事業本部)敷地内にまっすぐ軌道敷跡は伸びていますが、入れません。
ただし、空間はありますから、この感じなら工場の反対側に回れば道はありそうですが、

すぐ隣は米軍横田基地です。
よく見ると飛行機も見えます。

工場の南側は基地に隣接しているので、北側から回りました。

北側も横田基地です。
手前が基地の周りの一般道ですが、フェンスの向こうの基地内にも外周道路があり、時々車も走っていますし、ジョギングしている人もいます。
南北方向に滑走路があるため、フェンスが延々と続きます。
基地内の道路の何もないところに信号機がありましたが、飛行機の離発着時に滑走路北側を通らなくするためのものかと思われます。
そして、ようやく北端に来ました。

滑走路への着陸空路の延長線上にJR八高線が通っていますが、横田トンネルという名の不思議な所があります。

以前はトンネルでしたが、電化に伴って屋根部分を撤去したものです。
だったら何でトンネル作ったのかということになりますが、飛行機の着陸地点すぐ近くだから落下物等で列車が危険だと判断したからとの説や、パイロットが着陸時の視界に入らなくするためという説を聞いたことがあります。
いずれにしても、じゃー今はいいのか?と思ってしまいます。
ところで、自転車道の先も気になるところですが、こんな大きな基地敷地の向こう側では、位置の見当もつけられないので、あきらめて、最寄りの箱根ヶ崎駅に向かいました。
(後から地図で確認したところ、横田基地の西側の羽村市内にも、多摩川までの自転車道らしいものがありました。別の機会に行ってみたいと思います。)

箱根ヶ崎駅は駅前はがらんとしていますが、駅舎は建替えられており立派です。
ここは瑞穂町にあり、東京都では島を除けば、奥多摩町、日の出町とともに三つしかない「町」です。
なお、先程見た多摩都市モノレールは、上北台からここまで延伸しようと計画されています。
ここから輪行して帰ろうと思いますから、開通していれば今日は便利だったでしょうが、需要がどのくらいあるのか、ちょっと心配です。

東京のローカル線である八高線は運行本数が少なく、駅で30分ほど待つことになりました。
こんなことなら、もう少し自転車で走ればよかったなあと、ホームのベンチで考えているとき、轟音とともに飛行機が着陸していきました。
日曜日なので離発着も無く、静かだなあと思っていたけれども、やはり基地の町であることを改めて実感しました。

ところで、途中、自転車道のトンネルに入る前、武蔵村山市立中藤地区図書館にも立ち寄りました。
この市では地区館の名称に「地区」という言葉をいれるようですが、市内には「図書館」が2か所、「地区図書館」が4か所あります。
本館と地区館を区別するための名称なら、1と5になりそうですから、規模の違いでしょうか。
この図書館は廃校跡を活用したような作りで、階段などでちょっと懐かしさを感じましたが、
暖かい日曜日の昼だったせいか、利用者はあまりいませんでした。
この日の走行距離は、22.5km、平均時速は19.9kmでした。
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コメント
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すずた さん
写真の削除を確認致しました。
ご協力ありがとうございました。
(確認のご連絡ですので、このコメントもすぐに消していただいて結構です。)
投稿: 武蔵村山市立歴史民俗資料館 | 2012年6月11日 (月) 14時54分