坂東三十三箇所の十番の岩殿観音と岩壁と上から見える参道の美しさ
前回見た物見山は物見山岩殿山観音の勝として埼玉県指定文化財の名勝となっています。
その名にもある岩殿観音にも行ってみました。
岩殿観音と呼ばれていますが、正法寺という寺院になります。
山号は巌殿山イワドノサン、寺号はショウボウジといいます。
物見山に登った時に意外とあっさり頂上に着いたなあと感じましたが、県道からの入り口が既に山の中腹だったからでした。
↑岩殿観音のあるところも中腹で、こちらから見ると仁王門ははるか石段の下です。
そこへ真っ直ぐに向かっている参道がいい雰囲気です。
今度はあちらから来てみたいものです。
↑こちらにある鐘楼は元禄15年(1702)に作られたもので、東松山市で最も古い木造建築物です。
銅鐘は元亨2年(1332)に造られたことが銘文に刻まれています。
天正18年(1590)の豊臣秀吉による関東征伐の際に軍勢の士気を鼓舞するため、大道寺入道政繁がこの鐘を引きずりまわして打ち鳴らした傷が残っているそうです。
↑正面には観音堂があり、千手観音が祭られています。
正法寺は養老年間(717〜724)僧逸海の創立と伝えられ、正法庵と称したといいます。
鎌倉時代に坂東三十三箇所観音霊場の十番とされました。
↑江戸時代後期の建物が明治12年(1879)に移築されたものです。
観音堂の美しさとともに、うしろにある岩壁も目を引きます。
岩殿山ともいうように岩壁、石崖も立派です。
物見山の由来と同様に、延暦10年(791)坂上田村麻呂が奥州征伐に向かう途中、この千手観音の力により悪龍を退治した伝説があります。
正法寺は源頼朝の命により比企能員が復興し、頼朝の妻、政子の守本尊として信仰が厚かったといわれています。
もう一つ立派なものといえば大銀杏があります。
推定樹齢は700年を越えるといいますから、1300年頃つまり鎌倉時代末期にはもう生えていたということです。
周囲は11メートルもあり、埼玉県内でも最大級の大きさです。
↑仁王門からはるか上に位置した岩殿観音のある境内から、さらに石段を上がっていくと県道にでます。
最初にそこからスタートしたので物見山がそんなに高くなく感じてしまいましたが、下から登ればやはり周囲を見渡せる高い山ということです。
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