王子の4つの滝に期待したがちょっと残念だった名主の滝公園とそこにいたカワセミ
北区王子に「名主の滝公園」があります。
王子村の名主「畑野孫八」が自邸に開いたのが始まりで、名前の由来もここから来ました。
それが江戸時代の安政年間(1854~1860)であると北区公式HPにあり、そこにあるリンクのパンフレットには寛永年間(1848〜1854)となっています。
明治時代以降の感覚と違い、この頃までは一つの年号が短いのでどちらにしろ江戸時代の終わり頃です。
同じくパンフには、近世末期には庶民にも開放され、将軍も鷹狩りのついでに立ち寄って休息するなどその名が広く知れ渡るようになったとあります。
明治元年が1868年であることを考えると、幕末もイメージが変わります。
池のある回遊式庭園ですが、江戸百景の庭園として整備されたのは、明治の中頃で、垣内徳三郎の所有になってからで、明治時代の造園方法を残しているそうです。
武蔵野台地の突端である王子近辺には滝が多く、かつて「王子七滝」と呼ばれる7つの滝がありましたが、「名主の滝」だけが現存する唯一の滝となっています。
↑王子駅から徒歩10分程度でまず最初に見た薬医門から入ると池があり、案内図では手前の木橋は池の中のはずですが、水がありません。
この辺りは台地と低地の間で、かなりの高低差のある土地ですから湧水はあってよさそうなところです。
渇水期ではないはずですが、奥にあるはずの滝も心配になります。
↑「女滝」がある場所でその表示もありますが、水は流れていません。
ここには4つの滝があり壮大であるとパンフレットにも書かれています。
他の滝も見てみます。
↑「独鈷の滝」も同様でした。
そもそも、独鈷がわかりませんでしたが、密教で使われる棒状の法具のことで、そうした織物や模様のことを言うそうです。
↑「湧玉の滝」に至っては明確な位置も分かりませんが、案内図からするとこの辺りのはずです。
名主の滝公園は、昭和13年(1938)には株式会社精養軒により食堂やプールなども作られ公開されましたが、昭和20年の空襲により焼失してしまいました。
昭和35年に東京都により再公開され、昭和50年から北区立の公園となっています。
↑いよいよ4つ目の「男滝」です。
実は、王子駅からは遠い方ですが正門から入れば、まずあるのがこの滝になります。
都内でも有数の8メートルの落差を有するといいます。
HPによれば、現在は男滝のみ10時から16時まで「稼働」しているとのことです。
つまり、池の水をポンプで汲み上げているそうです。
自然の滝ではなかった点と四つある滝のうち一つしか流れていないことは、ちょっと残念ですが、これも3密を避けるためでしょう。
もう一度、池に戻ると見知らぬ人から「ちょっと見てみて」と話しかけられました。
カワセミがいるようです。
スマホカメラでデジタルズームを精一杯しましたが、光学ズームでないため
イマイチわかりづらいです。
カワセミは水の綺麗なところにしかいないと思っていたので驚きました。
新幹線や在来線などの鉄道がすぐ近くを通る、音的には静かでないこの環境下での不思議な体験でした。
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