日本で一番古い公園の一つにあり都内最大級の規模をもつ芝丸山古墳と徳川家光の大イチョウ

東京タワーのすぐ隣にあり、徳川家の菩提寺である増上寺を取り囲むように芝公園はあります。

そんな都心の一等地に古墳があるというので見に行ってきました。

↑小高い丘となっているところがあるので、これが古墳かと思い様々な角度から見てみました。

前方後円墳であるはずなのに、そうは見えません。

階段を登って行くと、その上に古墳はありました。

↑「芝丸山古墳」といい、東京都指定史跡となっています。

向かって左が前方部分で、右が後円部分になり、正面がくびれ部分になります。

前方部が狭く低いという形態や占地状態などから５世紀代の築造とみられ、南武蔵の族長の墓だったと考えられています。

↑右側を見ると、丸い円墳の形をしているのがわかります。

全長１０６メートル前後（１２５メートルとも）、後円部径約６４メートル、前方部前端幅約４０メートル、くびれ部幅約２２メートルほどの都内最大級の規模をもつ前方後円墳です。

前方部は南南西に向いています。

↑左側を見ると、こちらは言われてみれば方墳かなという感じです。

古墳の一部は削られてしまっており、明治３１年に調査された時点で既に後円部中央に位置したと考えられる主体部（埋葬施設）は無かったそうです。

↑ここにはお稲荷さんがあり、「円山随身稲荷大明神」といいます。

この円山稲荷は増上寺の裏鬼門に位置し、寺の芝移転時にご本尊を守護するためにお供したことから随身というと書かれていました。

芝丸山遺跡を見るために、まず、後円部の円墳に登ってみます。

↑広場となっており、円墳の上部は削られています。

ただし、円形であることはわかります。

ここにはちょっと不思議なものがありました。

↑「伊能忠敬測地遺功表」です。

伊能忠敬の測量の起点が芝公園に近い高輪の大木戸だったということで、東京地学協会がその功績を顕彰して明治２２年に建てました。

戦災で失われたため、昭和４０年に現在のものが再建されたそうですが、高輪大木戸ってここからそんなに近所でもありません。

↑ここは１６メートルの台地の上にさらに古墳としての高さがありますから、北側にある増上寺境内がはるか下方に見えます。

続いて前方である方墳部分ですが、ここにはもっと不思議なものがありました。

↑「大野伴睦句碑」だそうで、昭和３８年に調理師法施行５周年にあたって調理師会の名誉会長だった大野伴睦の労に謝するため建てられたそうです。

岐阜羽島に東海道新幹線の駅を無理やり作ったとして有名な政治家ですが、実はそうではないとも聞きます。

↑こちら方墳部もかなり高い位置にありますから、南側のテニスコートもはるか下です。

この芝丸山古墳やテニスコートも含めて「芝公園」ですが、日本で最も古い公園の一つだといいます。

上野、浅草、深川、飛鳥山、芝の５カ所が、明治６年の太政官布達によって日本で最初の公園として指定され、以後の公園が増えていきました。

↑この古墳のすぐ東側には「芝東照宮」があります。

日光、久能山、上野とともに四大東照宮となっており、当然、徳川家康を祀っています。

増上寺の安国殿でしたが、明治初期の神仏分離令により、増上寺とは別の神社となりました。

↑「芝東照宮ノ公孫樹」というご神木の大イチョウがあります。

寛永８年（１６４１年）に三代将軍徳川家光が植えたものと伝えられています。

東京都指定天然記念物となっていますが、東京タワーのすぐ近くにこんなものがあるなんて素敵です。

芝公園は不思議な形に思えましたが、当初は増上寺や芝東照宮を含む広い公園だったものの、戦後の政教分離によって環状の公園になったということで納得できました。

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