黒目川のまぼろしの源泉である小平霊園の「さいかち窪」に久々の湧水を見る
東久留米市から埼玉県を通り、新河岸川と合流する荒川水系の黒目川は、小平霊園内のさいかち窪が源泉とされています。
しかし、ここに水が湧いていることは滅多になく、「まぼろしの湧水」といわれています。
平成27年には7年ぶりに水が湧いたということで、東久留米市HPの写真ニュースに掲載されているほどです。
↑この2haほどの雑木林の中に、さいかち窪はあります。
このブログでも何回か見に行ってきましたが、水はありませんでした。
今年、平成28年はお盆休みの頃までは水不足と言われてきましたが、その後、数多くの台風がやって来ており、降水量は多いはずですから、湧水があるのではないかと期待して行って来ました。
10月11日体育の日のことです。
↑すると、雑木林側から新青梅街道をくぐる土管に向けて水の流れがあります。
平成になってからの湧水の記録で調べてみると、平成3年、9年or10年、16年、20年、そして平成27年に水が湧いたといいますから、今年たった1年ぶりで湧いたとなると奇跡的ともいえます。
勢いよく流れてくる水を上流へたどっていきます。
あまり人が入っていかない雑木林の中なので、滑らないように気を付けながら歩かなくてはいけません。
こうして写真を撮っていると、耳元で数多くの虫の羽音がします。
手で払っても、すぐに近づいてきます。
↑やがて、窪地に小さな池のようになった水溜まりがあります。
さいかち窪に水が湧いているのです。
私が前回これを見たのは平成16年だったはずですから、12年ぶりです。
再び見てみたいと思っていた光景を、ついに目にすることができました。
大きさとしては、長さで50mくらい、幅は広いところで10mくらいでしょうか。
そして、この手前の上流側には水はありません。
ここがこの時の黒目川の上流端です。
しかし、さらに先には、明らかに水の流れがあった跡と思われるものがあります。
この水路跡を歩いて、雑草の間をぬって、上流方向にたどってみます。
クモの巣の糸をかき分けながら進んで行きますが、薄暗いところで、大きなクモの巣に思いっきり頭から突っ込んでしまいました。
顔や頭に絡み付いた糸を取るのに一苦労です。
クモにとっても、いい迷惑だったでしょう。
この雑木林の中にも、人が通る踏み分け道のようなものがあります。
↑そのため、流れの跡に小さな橋のように蓋かけされたところがありました。
やがて、再び水溜まりを見つけましたが、ここは湧水というより、小平霊園内の道路に降った雨水排水管の出口のようです。
最近の霊園内の道路舗装工事の様子を見ていると、これまであまり考慮されていなかった雨水排水に対する対策が取られているように感じられます。
霊園管理事務所としても、湧水の復活に力を入れているのでしょうか。
ただし、この排水管の水が大量に流れるようになると、さいかち窪の源泉の水との区別は難しいこととなります。
↑ここは、ちょうど雑木林外周路のこのすぐ奥の辺りです。
ところで、頭や顔のそこらじゅうそこらじゅうが痒くなってきました
蚊に10箇所以上刺されてしまったようです。
最高気温でも20℃以下の秋らしく肌寒い日だからと油断していましたが、ここはまだ夏の最中のように蚊がいるところだったようです。
↑この案内図の中央の丸い部分が雑木林で、下の方に向かい、新青梅街道を潜って、黒目川は流れていきます。
痒さを紛らわせるかと思い水道水で顔を洗ってみると、蜘蛛の糸がまだこびり付いていることがわかりました。
小平霊園全体から見れば、雑木林はほんの一部分なのですが、自然はいっぱいあるところです。
↑6日後の10月16日には、もう水は全く流れていませんでした。
やはり、幻の湧水なのでしょうか。
今度見に行くときは、蚊対策をしっかりしていきたいと思います。
ブログランキングに参加して、交流を広げていきたいと思っています。
いずれかポチッとお願いします。
.
« 乃木坂は明治時代までは別の名前の坂だったことも、乃木坂46の名前の由来も知らなかった | トップページ | 江戸川区の中心街はどこなのかと高さ115mの船堀タワーからの素晴らしい眺め »
「02小平市」カテゴリの記事
- 多摩野という名の付いた神社とそれがある小平市天神町の地名の由来(2021.06.06)
- 砂川用水の二ツ塚緑道と上鈴木稲荷神社にある陸軍経理学校の神社本殿(2020.11.29)
- 鈴木稲荷神社にある小平市指定文化財の見られる江戸時代後期の彫刻と明治時代初期の鏝絵(2020.10.25)
- ムサビ間を横切る小平市小川の不思議なほど幅は広いが短い道路(2020.06.28)
- 武蔵野とは何処のことなのかを小平市にある武蔵野神社で考えてみる(2020.06.07)
「01東久留米市」カテゴリの記事
- 東久留米市指定史跡4つのうち2つや有形民俗文化財もある柳窪と登録有形文化財(2020.07.05)
- 東久留米市八幡町の由来となっている八幡神社は新田義興が勧請か前沢御殿とともに造営か(2020.06.14)
- 小平霊園内で行われている道路工事と新青梅街道側入口前のサイゼリヤの想定外の後継店(2020.05.10)
- りそな東久留米滝山支店の移転先と気になるけどよく見えない滝山病院建替計画の全体像(2020.01.26)
- 高齢化の進む滝山団地のヨーカドー跡地に1月24日オープンするヤオコー東久留米滝山店と成功しているのかネットカフェ(2020.01.19)
「川の源泉」カテゴリの記事
- 朝霞市指定史跡らしく感じられない広沢の池とその水の出口と広沢観音(2020.03.08)
- 矢川緑地の湧水となぜか擁壁上にある道路とその向こうの矢川弁財天の狛蛇(2020.01.12)
- 昔の面影のある崖線上の鎌倉街道と三芳町唯一の湧水のある竹間沢こぶしの里(2019.12.15)
- 瑞穂町で不老川の源流はどこにあるのか流れを遡って探してみる(2019.10.20)
- 霞川の水源に係るもう一つの説は平将門の後裔を名乗る三田氏が創建した天寧寺(2019.08.26)
コメント
« 乃木坂は明治時代までは別の名前の坂だったことも、乃木坂46の名前の由来も知らなかった | トップページ | 江戸川区の中心街はどこなのかと高さ115mの船堀タワーからの素晴らしい眺め »
拙者が行けなかった日に行って頂いてたようで、貴重なレポートありがとうございました。
どうやら10/15あたりに流れが途絶えたようですな。しかし、内部ではまだ湧き出しや流れが見られたのです。面白い発見でした。
投稿: 武蔵野台地調査隊 | 2016年10月25日 (火) 00時24分
武蔵野台地調査隊さん、コメント有難うございます。
ほんとうに地下水とは不思議なものです。
投稿: すずた | 2016年10月30日 (日) 20時42分
こんにちは。いつも楽しく拝見しております。
私は黒目川のほとりに住んでおります。
子どものころ、さいかち窪は自分にとって西の果ての地でした。
そこに幻の泉がある…なかなか神秘的です。
私は2015年、2016年と連続してさいかち窪の湧水を見ることができ、ラッキーでした。
蚊対策、必須ですね!!
投稿: makim | 2017年1月12日 (木) 01時26分
makimurさん、こんばんは。
コメント有難うございます。
西の果てとは面白いですね、
でも、言われてみれば確かにそんなイメージです。
新河岸川との合流部も、東の果てという感じのところですねえ。
投稿: すずた | 2017年1月12日 (木) 20時24分