多摩川の白丸ダムってどんなところ?ダムに魚道なんて作れるの?
多摩川の上流には、奥多摩湖と小河内ダムがあるのは有名ですが、その8kmほど下流に「白丸ダム」というのを地図でみつけました。
そのすぐ横の国道411号線を通ったことはありますが、今までダムがあるとは気づきませんでしたので、車で見に行ってみました。
白丸ダムは昭和38年に、東京都交通局により造られたもので、正しくは「白丸調整池ダム」という、東京都西多摩郡奥多摩町にある発電専用のダムです。
多摩川第三発電所を建設する際に、多摩川の水を堰き止め、下流にある多摩川第三発電所に発電用の水を送るために造られました。
また、このダムによって堰き止められた調整池が「白丸調整池」です。
水源として東京都水道局が小河内ダムを造りましたが、ここは水源として利用するものではないため湖としては大きくなく、「池」で私も存在に気づいていませんでした。
多摩川第三発電所はここではなく、御岳にあり16400kwの発電量があります。
ここにある白丸発電所は河川機能維持と観光目的の放流水の有効活用のために平成12年に地下に造られたもので発電量は1100kwしかありません。
小河内ダムでも交通局は多摩川第1発電所で発電しているようです。
↑白丸ダムは調整池だし、ダム湖の規模もたいしたことは無いようなので、ダム本体も小さいものを想像していましたが、高さ30m、長さ61mもある重量式ダムで意外と大きいものでした。
堤体から下流側の下を覗き込むと、やはり怖いです。
川の堰などの段差があるところに魚が自由に行き来できるように、「魚道」をつくることがあります。
ここには「白丸ダム魚道」というものがあり、これが見学できるとのことなので、見に行きました。
30mもの高低差を魚が登れるとは思えませんから、どうしているのか興味があります。
↑見学用に階段があるのですが、だいぶ低いところにあるようで、らせん階段が遥か下まで繋がっています。
これを下りると、この猛暑の中、再び階段を上がってこられるのか不安ですが、下りてみますか。
↑ようやく下に辿り着いて、上を見上げるとやはり遥か彼方です。
平成4年に「魚がのぼりやすい川づくり」のモデル河川に多摩川が指定されて、平成7年から国土交通省により工事が行われてきました。
完成し、平成14年に国から都へ引き継がれたそうです。
トンネル内に水の流れる音が響いています。
↑ここは魚道を登ってきた魚にとってはゴール間近で、もうすぐ調整池の明かりが見える地点です。
このような斜めに造られた幅2mの魚道で、なんと27mの高低差を進めるようになっているといいます。
川の中が見えるようにガラス張りになっている所もありますが、水が濁っていて中は見えませんでした。
なんと長さは330mもある日本最大級のものです。
気温35℃もある、うだるような暑さの中、ここはとても涼しいです。
このトンネル部は125mの長さがありますが、この他に外にも魚道はあるようです。
↓解説チラシには「明かり水路部」と書いてありましたが長さ206.8mありますが、ダムの堤体の上から見ると、やはり結構な登り坂です。
しかも、下流から(奥から手前)に来た魚からすれば、180度向きを変えて魚道を登ることになります。
しかも、この魚道途中でヘアピンカーブがあり、再び180度向きを変える必要があります。
でも、ヤマメやイワナなどが登ったことが確認されています。
話はかわりますが、川の左岸は車通りの多い国道ですが、右岸にはウォーキングトレイルのコースが設けられています。
しかし、ダム湖沿いの上流向きはがけ崩れがあったため、通行止めです。
↑ちょっと怖いけど、下流方面に行ってみますが、これがかなりのアップダウンで、登ったかと思えば下っていきます。
川面の近くまで行くことができます。
残念ながら、角度的にダムは見上げることができませんでしたが、さきほどの魚道は裏側からも見ることができます。
ヘアピンカーブがあるのが、わかりますでしょうか。
しかも、10分の1という結構な勾配です。
魚さんも割とたいへんです。
こころで、この鳩ノ巣渓谷は素晴らしい景色です。
ただし、渓谷といっても涼しくはなく、再び登り坂は暑いしきつかったです。
すぐ隣りの青梅市の最高気温は36.1℃だったようです。
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