東村山では縄文時代から漆を塗っていたんだって
東村山市多摩湖町では「下宅部遺跡(しもやけべいせき)」が、1995年に都営住宅建て替え工事の際発見され、6年間にわたる発掘調査が行われました。
その一部が「下宅部遺跡はっけんのもり」として公園になって保存されています。
ここは多摩湖から流れる北川に面しており、豊富な湧水により、通常では残りづらい木の道具や水辺の施設などが見つかった、縄文時代後期・晩期、古墳時代、奈良時代、平安時代にかけての低湿地遺跡です。
復元された河道に湧水が流されています。
↓池状遺構も復元されています。
ここで発掘された出土物は、すぐ近くの「八国山たいけんの里」という名の東村山市埋蔵文化財センターに保存されています。↓
今から3000年から4000年前の縄文時代後期から晩期にかけての、漆塗りの木製品や土器が数多く発見されています。
特に木製品などの有機質は通常では分解されてしまっているものが、ここでは湧水を豊富に含む土壌であったため残っていたそうです。
漆塗りの弓や木製容器、さらには漆樹液採取の跡の残った木材や樹液を保存する土器も発見されました。
ここには縄文式土器も多数展示してありました。
次に、ここの施設名称にもなった、「となりのトトロ」の舞台にもなったといわれている「八国山緑地」に立ち寄ってみます。
建物のすぐ前は単線の西武西武園線の踏切となっており、その向こうは八国山です。
当然、車は通れませんが、自転車は一応通ることができます。
ただし、急坂ですし、野山の環境保全のためにも、自転車はおいて徒歩で登りました。
この森の様子は、2年半ほど前にも紹介しましたので今回は写真は1枚ですが、いつ来ても、のんびりできるいいところです。
この後、再び自転車に乗り換え、「東村山ふるさと歴史館」にも立ち寄ってみました。
東村山出身の有名人 志村けん氏の母校である市立化成小学校のすぐ近くです。
ちょうど、東村山市制50周年記念特別展「下宅部遺跡展 縄文の漆」が10月4日から12月21日まで開催されていました。
入場料は無料です。
3000~4000年前には東村山で漆が使われていたことに驚きましたが、北海道では縄文時代早期である9000年前の繊維製品で漆が使われていたと知り、さらにびっくりです。
ここには下宅部遺跡で見つかった、未成品の丸木舟もありました。
長さ6.6mのケヤキの木で、磨製石斧で削りだした刃跡が残っています。
なぜ途中で作るのをやめたのかは謎です。
なにしろ文字の無い時代の話ですから、想像するしかありません。
ところで、以前に行った西東京市の下野谷遺跡を、国指定史跡にするよう文化庁文化審議会で答申されたとのことですが、これは縄文時代中期の環濠集落で南関東最大級の規模のものです。
数千年以上前の国家という存在がない頃から、そして日本という国になってからも、東村山、西東京など北多摩地域では人々の生活がずっと続いていることになります。
今では国家というものがある中で、この生活を今後も持続させていくためには、世界の平和と安定や日本の安全保障について、しっかり考えなくてはいけないと改めて感じます。
ちょっと話がおおげさですかね…
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この日の自転車の走行距離は19.88km、消費カロリーは454kcalでした。
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