日本橋にある重要文化財めぐりと「ぐるっとパス」
久しぶりに日本橋界隈に行きました。
少し前までの休日の日本橋は、デパート以外にはあまり人がいかず、通りは閑散としていたような気がします。(少し前と言いながら、二十年位前?)
ところが、COREDO室町が3つも新しくできたこともあり、人が多く歩いていてびっくりしました。
その一角に、「三井本館」があります。
関東大震災により被害を受けたため、その2倍の地震に耐えられるよう設計され、1929年(昭和4年)竣工した三井財閥の本拠地が、この三井本館で、国指定重要文化財に指定されています。
三井不動産はこの一角のビルの建替えに際して、この建物はそのまま残し、となりのビルを中心に高層化し建替えました。
建物1階は三井住友信託銀行と三井住友銀行があるので窓口があるはずですが、休日のため入れませんでした。
7階は三井記念美術館となっているので入れますが、隣の建替えた高層ビルの1階部分が入口になっており、壁をくりぬいて中で繋がっており、いつのまにか旧三井本館に入っていきます。
感覚的には新しいほうのビルにいるように感じます。
美術館の展示室の一部は、内装も三井本館の役員食堂のままとなっています。
撮影禁止なので写真はありません。
この建物の保存はうまくできていると思います。
近頃、古い建築物の保存ということで、外壁だけを残し、中身は実質的に建替えてしまう例が多く見られますが、なんか壁が張り付いているようであまり良くありません。
この建物は外観も昔のままです。
↑明治時代の日本での近代建築では有名な、東京駅も設計した辰野金吾による設計の旧館(本館)です。
上から見ると、円の字に見えることも知られていますが、上から見られませんでした。
これも、国指定重要文化財で、1896年(明治29年)竣工した建物です。
石積みレンガ造で花崗岩貼となっています。
敷地の南側は旧館で、北側は昭和40年代に建設された新館と思ってみてきましたが、戻って調べてみると、南側の一部は昭和13年に建築された鉄骨鉄筋コンクリート造花崗岩貼の建物だそうです。↓
一体の建物と思い、気付きませんでした。
この辺りは古き良き建物が並んでいますから、少し歩いて回ります。
↑右が日本銀行本店、左手前が三井本館、左奥が1914年(大正3年)竣工の三越本店で、こちらは何度も増築をしているようです。
さらに奥では日本橋駅前のビル建設現場も見えます。
知らなかったのですが、高島屋日本橋店は、重要文化財に指定されているそうです。(帰ってからわかったことなので、写真を撮りませんでした)
肝心なお江戸「日本橋」そのものも見ていきましょう。
石造二連アーチ橋です。
1964年の東京オリンピックに間に合うように急いで建設された首都高で、蓋かけされてしまっているのは問題外ですが、よく見ると凝った彫刻があります。
手前には獅子、中央には麒麟です。
首都高を地下化するという構想もあるようですが、費用負担を誰がするのかを考えると難しいところです。
さらに、中央通りを南下していき、京橋でブリヂストン美術館と国立近代美術館フィルムセンターに立ち寄りました。
なんで、美術に関心ない私が、急に美術館めぐりをしているかというと、
ぐるっとパスです。
2000円ですが、有効期間2ヶ月の間に、都内78箇所の美術館、博物館などに無料または割引料金では入れます。
常設展は無料で、企画展は割引とするところが多いです。
わたしは、無料の常設展ばかり行ってます。
国立近代美術館430円、工芸館210円、三井美術館1300円(特別展)、ブリヂストン美術館800円、フィルムセンター210円で、2日間で合計2950円、既に元はとれています。
さらに南下し、京橋と銀座の境までいきました。
ホテル西洋銀座のあったところです。
バブルに向かっている1987年3月に西武流通(セゾン)グループが客室数の少ない高級ホテルを目指して開業したホテルですが、残念ながら、途中で運営先もかわり、2013年5月、ついに26年間で廃業してしまいました。
開業当時は、プリンスホテルを数多く運営する西武鉄道グループの堤義明氏への対抗として、あえてセゾングループの堤清二氏がホテル運営に乗り出すことが、話題となりました。
義明氏は西武鉄道の不祥事により表舞台から引いてしまいましたし、清二氏はホテル廃業の半年後亡くなっています。
同じ時期の1983年にオープンした赤坂プリンスホテル新館は、2011年営業終了の上、40階建てだったのに解体までされてしまいました。
四半世紀の歴史を感じます。
この建物は残ってほしいものです。
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