本州からいなくなってしまう戦車と、VIP専用ヘリコプター
第一空挺団の「平成26年 降下訓練始め」に、習志野演習場に先週行った話の続きです。
午前中には訓練で、火薬がバンとかボンとかしていたところに、午後からは入ることができます。
まさか、地雷が落ちていたりしないですよねえ…
ここに、戦車やヘリコプターなどが展示してあります。
10式戦車です。
「ヒトマルシキ」と読むそうで、制式化された年の西暦下2ケタで呼ばれます。
(2009年制式化という情報もありますが、じゃあなぜ09式ではないのかはわかりません。)
サイドスカートも付いていて、こうして見ると、戦車じゃないみたいです。
90式戦車よりも軽量化を図り、北海道に限らず日本国内どこへでも配備可能という10式戦車ですが、12月17日に閣議決定された「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」によると、本州から撤退するようです。
戦車は北海道と九州のみに配備することになるようです。
5年以内には本州では戦車が見られなくなるようです。(四国には元々配備させているのかわかりません。)
替わりに、機動戦闘車が配備されるようです。
機動戦闘車は、タイヤを履いた戦車という感じですが、未配備ですから、ここには当然展示されていませんでした。
「中期防」では99両整備するとしています。
続いては、ちょっと古い74式戦車です。
「中期防」でも戦車を44両整備するとされていますから、74式から10式への置換えが進められるのでしょう。
ただし、戦車は九州、北海道に配置転換するだけでなく、数そのものも減らされるようです。
同じ日に閣議決定された「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」によると、今後10年間程度で、700両ある戦車を300両に減らすこととされています。
要するに、冷戦期のような大規模な着上陸侵攻への備えよりも、島嶼防衛などに力を入れていこうということです。
同じように、減らされてしまうのが大砲です。
155mm榴弾砲FH70です。
「防衛大綱」によれば、火砲も現在の700両/門から300両/門に減らされてしまうそうです。
先程、上から見ると小さかったですが、間近で見るとやはり大きいです。
牽引してきて使用するのですが、短距離なら自走も可能なようで、先程走っているのを見てびっくりしました。
地対空ミサイルは、引き続き空からの脅威があるからか、減らすという話は聞きません。
03式中距離地対空誘導弾(中SAM)です。
この陸上自衛隊習志野演習場には、航空自衛隊のPAC-3 地対空誘導弾(ペトリオットシステム)も配備されています。
弾道ミサイル対策としてのPACー3が有名ですが、この中SAMとの違いは射程距離などがあるのでしょうか、良く分かりません。
96式装輪装甲車もありました。
続いては、いよいよヘリコプターです。
CH-47JAチヌークです。
やはり大きいです。
「中期防」でもこのチヌークは新たに6機配備することとなっています。
ティルト・ローター機(おそらくオスプレイを想定)は17機となっていますが、まだまだチヌークも活躍の機会はあるようです。
後部で入口が開いていて中が見られます。
空挺団はここから飛び出したのでしょう。
ところで、午前中には、防衛大臣もチヌークに乗ってこの習志野演習場に来ましたが、その時は座席はどうなっているのでしょうか。
自衛隊のトップとして隊員と同様に、このベンチのような椅子に座ってきたのでしょうか。
続いては、AH-64Dアパッチ・ロングボウです。
肝心なあれが見えませんが、メインローターの上にある不思議な丸いものは、火器管制のためのロングボウレーダーです。
そして、AH-1Sコブラです。
この2機は航空自衛隊でなく、なぜ陸上自衛隊に配備されているのかと思っていましたが、今日の訓練を見て理解できました。
そして、立川からやってきたOH-1ニンジャです。
なぜかオメガという名前はあまり定着していません。
ニンジャのほうが偵察ヘリのイメージをよく表しているからでしょうか。
そして、OH-6Dです。
思った以上に小さいです。
オスカー、カイユースよりはフライングエッグのほうがイメージにピッタリです。
でも、午前中の訓練の時は、他機よりもひときわ速く飛んでいました。
そして、UH-1Jです。
ハンター、ヒューイですが、「中期防」では後継となる多用途ヘリコプターのあり方を検討の上、必要な措置を講ずるとされています。
どうなるのでしょうか。
ところで、立川駐屯地の方々は、けっこう詳しい見学者のマニアックな?質問にも丁寧に答えていました。
写真を撮る人はいましたが、サインをもらっている人もいてびっくりしました。
でも、私も、今朝8時過ぎに小平駅付近を飛んでいたのではと聞いてしまいました。
やはりそうだったようです。
ちなみに、OH-6Dが少し後から飛んでいたのも、出遅れたからではなく、到着地側の対応のためだったそうです。
そして、午後2時過ぎに、1機のヘリコプターが下りてきました。
EC-225LPです。
VIP用のヘリですが、防衛大臣を迎えに来たようです。
↑数人乗り込みましたが、小野寺防衛大臣はピンボケ写真だったため、別の人ですが誰かはわかりません。
行きには、防衛大臣、統合幕僚長、陸上幕僚長が3機のチヌークでやってきました。
午前中は数多くの見学者がいる中ですからが、一人だけVIP用というのも何だしということだったのかもしれません。
このヘリは総理大臣や国賓を乗せることを想定していますから、いい座席があるのでしょう。
この後、チヌークが2機やってきて、それ以外の方も帰りました。
やがて、3時になると閉門です。
ヘリコプターの帰投を見ようと数多くの人が高台にいましたが、隊員の方の「閉門ですから帰ってくださーい」という声に、三々五々散っていきました。
その中、アパッチロングボウは相変わらずサービスをしながら帰っていきました。
帰りも歩いて帰りましたが、この習志野訓練場はほんとうに広く、220haほどあるそうです。
中に自動車教習所もありました。
習志野自動車教習所という看板はありましたが、自衛隊専用のようです。
行きと同様に、門までも遠いですが、門からも遠く、北習志野駅まで4km歩いて帰りました。
ブログランキングに参加して、交流を広げていきたいと思っています。
いずれかポチッとお願いします。
« 陸上自衛隊の2014年「降下訓練始め」と「戦車だって洗車してほしい」 | トップページ | 中野区の西武新宿線地下化による連続立体交差事業を見に行く »
「基地」カテゴリの記事
- 入間航空祭2017ではなかなか帰らない帰投見物人がロープで少しずつ追い出されるが、誘導路をバスで走れたからまあ良かった(2017.11.12)
- 入場者が減少傾向という入間航空祭2017に3年ぶりに行ってみれば逆に増加して客層も変化(2017.11.05)
- 英語放送のFENはいつのまにかAFNになっていた、理研本部は和光市にいつからあるのか(2016.02.07)
- バス停の通信住宅って北多摩陸軍通信所の官舎だったとは(2015.01.31)
- ブルーインパルスを見に入間航空祭2014に行く(2014.11.09)
「57千葉県」カテゴリの記事
- 市川には45階建の屋上から地上150mの眺望と夜景が無料で楽しめる施設があった(2016.10.30)
- 再開発が進み、不知森や下総国総鎮守、天然記念物もある本八幡(2015.04.05)
- 本州からいなくなってしまう戦車と、VIP専用ヘリコプター(2014.01.19)
- 陸上自衛隊の2014年「降下訓練始め」と「戦車だって洗車してほしい」(2014.01.13)
- 国立歴史民俗博物館と佐倉城址(2013.08.11)
« 陸上自衛隊の2014年「降下訓練始め」と「戦車だって洗車してほしい」 | トップページ | 中野区の西武新宿線地下化による連続立体交差事業を見に行く »
コメント