国分寺崖線の殿ヶ谷戸庭園の美しさと国分寺駅北口再開発
JR中央線国分寺駅南口すぐ近くに、国指定名勝である「殿ヶ谷戸庭園」があります。
国指定名勝は、文化財保護法に規定された文化財で、芸術上、鑑賞上、学術上に価値のある土地が指定されるもので、都立庭園として7番目です。
都心部にある江戸時代からの大名庭園が多いようですが、こちらは珍しく多摩地域にあります。
入場料150円を支払って、中に入ります。
まずは広い芝生です。間を抜けていくと、梅が咲いています。
(今日3月30日は寒いながらも桜が満開ですが、これは少し前の桜が開花し始めた頃です)
↓カタクリの花もきれいに咲いていました。
私はこの花を見るのは初めてです。
この庭園は大正初期に、後の満鉄副総裁江口定條氏の別邸として造られ、昭和初期には三菱財閥の岩崎彦弥太氏に買い取られ、和洋折衷の回遊式林泉庭園として整備されました。
国分寺崖線の地形をうまく利用しており、坂を下っていくと外部との境界には竹林があります。
そして次郎弁天池があります。
国分寺崖線沿いには地形上から湧き水が多く、この池も湧水によるもののようです。
昭和40年代には開発計画もあったそうですが、住民運動により結局東京都が買い取ることとなり、このように庭園として残っています。
以前、小金井市の国分寺崖線沿いの滄浪泉園でも同じような話を聞きました。
※滄浪泉園への旅の記録は、こちら
池から階段を上がると、見晴らしのいいところに紅葉亭という茶室があります。
景色を見ながら、お菓子付きの抹茶でも頂こうかと思いましたが、この庭園にはそのような店はありませんでした。
ここからの景色は美しいです。
↑写真だと、ちょっと綺麗さが伝わらないですかね…
紅葉亭の横には、ししおどし(正しくは鹿おどしと書くそうです)もあります。
音をききたくて待っていましたが、この日は風が強くてうまく水が竹に入らなくて、1分以上かかってようやく音の響きを聴けました。
↑でも、この下がった瞬間を撮影しようと必死だったため、あまり音色に集中できませんでした
本館建物には入ることができます。
展示コーナーとなっていますが、何もないほうがいいような気もします。
最近日本庭園を好きになり、この庭園も2周しましたが、今日初めて「松」の美しさというものを感じました。
考えても見れば、松竹梅といいますからね。
松は昔から縁起のいいものだったわけです。
こうして私も盆栽好きなおじさんになっていくのでしょうか…
ところで、美しい庭園ではありますが、さすがに駅に近いだけあって、北の方角を見ると、背景には大きなマンションが入ってしまいます。
まあ、この庭園もマンションになりそうだったのですから、残っただけでも良しとするべきでしょうか。
次に、ここを出て、国分寺駅の反対側である北口に行ってみました。
こちらでは、再開発事業が平成30年までの予定で進んでいます。
↑市の国分寺駅北口事務所は、2階には国分寺駅周辺整備課の事務所があり、1階は本多図書館駅前分館となっています。
入ってみましたが、行政資料ばかりで図書館という感じではありませんでした。
この1階ロビーには再開発事業の整備模型があります。
ちょっと驚いたのは、この模型の手前が国分寺駅なのかと思っていたら、逆で、建物の向こうに駅があるそうです。
つまり、駅から出ると、まず建物があってそれを越すと交通広場だそうです。
まあ、駅の南北自由通路の延長で歩いていると、たまたま上に建物があるだけであって、完成してみれば何も違和感はないのでしょう。
33階と31階建ての住宅ができるとのことなので、国分寺駅の雰囲気もだいぶ変わることでしょう。
おそらく、殿ヶ谷戸庭園の借景も変わることでしょう。
ここからさらに北に向かうと、国分寺市立本多図書館があります。
公民館と併設されており、こちらは市の図書館本館なのですが、入ってみるとそれほど広くはありませんでした。
まあ、市としては再開発で大変だし、西国分寺駅の近くには都立多摩図書館が引っ越してくるので、仕方ないのでしょうか。
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